サービスセクターは中長期的に需要拡大及び成長が期待できるビジネスモデルを有する企業が多い。この背景には日本の社会構造の変化がある。但し、各社とも業態や事業規模が様々で一括りには評価しにくい特性を持つ。そうした特徴があるものの、成長企業は3つの要件を兼ね備えている。その要件に即して考えると、サンリオ、オリエンタルランド、セコム、ダイセキに注目している。

少子高齢化社会、人口減の進展が
国内産業の構造変化の誘因に

きたみ・まさあき
1990年立教大学理学部物理学科卒。1990年大和総研入社。その後ドイツ証券を経て、2009年2月メリルリンチ日本証券入社。1998 年よりサービスセクターを担当。多種多様な産業・業界知識を蓄積しており、業態や事業規模が様々な企業が混在するサービスセクターを総括的にカバー・調査分析、情報提供できるのが強み。2011年より消費財(飲料・たばこ・トイレタリー)も担当。

 我が国が直面している急速な少子高齢化社会、人口減社会の進展は、国内産業の構造変化の誘因となる。具体的には人口減少に伴う労働力供給の減少は、各企業に一層の効率的な経営やコア事業への絞込みを迫る要因となる。当然、社外資源の積極的な利用が必要になる。よって、今後ますますビジネスサービス(対事業所サービス:アウトソーシング関連、人材関連ビジネスなど)への需要は高まるものと思われる。

 また、高齢者の増加や単身世帯や夫婦のみ世帯などの少人数世帯の増加も、サービス産業の需要拡大につながるものと考えられる。総務省の「家計調査」などによれば、高齢世帯は非高齢世帯と比較して、保健医療、教養娯楽サービスなどの費目の消費割合が高い。

 また、少人数世帯は食費や教育費など基礎的な消費項目への負担が相対的に軽い。このため、生活の付加価値を高めるような費目に消費活動が向かう。つまり、高齢者の増加や少人数世帯の増加は、医療関連需要やパーソナルサービス(対個人サービス:娯楽サービス、介護関連など)にとってプラスに働くものと思われる。

 一方、サービス関連企業には景気拡大や後退に関わらず需要が顕在化することが多い。これは、景気後退時には企業のコア事業への集中と選択を背景にアウトソーシング需要が拡大したことに加え、それまで大手企業グループが内包していたノンコア事業の外部売却に伴うM&A等での取り込み等も要因である。一方、景気拡大時には事業拡大のために人材等の確保が難しくなってくるため、企業のアウトソーシングニーズ等が高まってくる傾向がある。