ほめにくい理由の1位は
「ほめる部分が見つからないから」

 調査をさらに見ていくと、「ほめられていない人」が50%以上に上る結果となった。管理職に対して「ほめると部下のやる気が高まると思うか」という質問には、「高まる」(33.7%)、「やや高まる」(57.3%)という結果になっており、90%近くの上司が、ほめることが部下のモチベーションアップにつながることを理解している。ただし、「部下をほめている方だと思う」と答えた管理職は「そう思う」「ややそう思う」を合わせると約65%で、ほめることがいいと理解しつつも、ほめられない管理職もいるようだ。なぜなのだろうか。

「部下をほめにくいと感じた理由」について聞いたところ、最も多かったのは「ほめる部分が見つからないから」(36.9%)。「ほめるタイミングがつかめないから」(31.0%)、「調子に乗るのではないかと思うから」(28.0%)、「他の部下もいるため、特定の部下をほめにくいから」(27.4%)と続く。

「ほめる部分が見つからないから」というのは、なかなか難しい問題だ。モチベーションアップのために、なんでもかんでもほめればいいのかといえばそうではないようで、部下側に対する「上司のほめ方に不満である理由」についてのアンケートで最も多かったのは「口先だけでほめる」(40.9%)。ほめるにしても叱るにしても、指導するにはしっかりと部下を観察していなければならず、そのこと自体に難しさを感じる管理職も多いだろうまた、「他の部下もいるため、特定の部下をほめにくいから」という管理職の読みは当たっていて、「不満」として「公平にほめない」(27.3%)を挙げた人も多かった。

「不満」として、「(上司が)ほめない」(33.8%)ことを挙げる人も多かった。ただし、自分が「ほめられていない」と思っている部下が50%を超えているのに比べ、「(自分は部下を)ほめている方だと思う」と答えた管理職は約65%。上司のほめ方が下手、ということも考えられるが、部下の方でも自分がほめられていると気づいていない場合がある、ということもあるのだろう。

 そもそも、ほめられている人は「自信」「誇り」が高い結果となったが、「自信」「誇り」があるからこそ、自分がほめられていることに気づきやすい、ということもあるかもしれない。実力が伴わない自信過剰は良くないが、相応な自信を持てば、周囲からの高評価に対しても自覚的になれる。それがモチベーションにつながり、さらなる自信になる、という好循環となれば望ましいだろう。逆に、自信がなく、自己評価が低いと、周囲からせっかくほめられているのに気付かないこともあるかもしれない。

 上司が積極的に部下をほめようとする姿勢が必要なのと同時に、部下は自分自身に対しての正しい自己評価が必要だろう。もちろん、それがとても難しいことなのだが。

(プレスラボ 小川たまか)