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現実認識の究極の技術
「コンピュータビジョン」が進化する

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第297回】 2014年5月28日
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コンピュータビジョンは自律走行車や
SNSに投稿されたビデオの分析にも応用される

 スマートフォンと同様のものだとすれば、タブレットをかざしただけで目の前の空間が三次元データとして取り込まれ、その結果現実世界とバーチャルな世界を組み合わせた新奇な体験やサービスが可能になる。

 たとえば、コンピュータゲームを現実の空間の中でプレイしたり、オンラインショップで見つけた家具を自宅の居間に置くどうなるかを確かめたりすることができるといったようなことだ。

 その機能を可能にしているのは、コンピュータビジョン技術だ。奥行きを感知するセンサー、動きをトラックするカメラなどのハードウェアと、コンピュータビジョンのプロセッサーが統合されて、タブレットが捉える風景を立体的データとして把握するのだ。これが広く使われるようになると、現実世界とバーチャル世界との行き来が普通になり、テレビ電話の相手を目の前の空間に合体させて呼び出したりすることもできるようになるだろう。

 コンピュータビジョンは自律走行車にも使われているほか、ソーシャルネットワークでユーザーが投稿した無数の画像やビデオを分析するためにも利用されている。ロボット技術も、コンピュータビジョンの発展によってかなり後押しされているようだ。顔面認識技術も急速に進んでいくはずだ。その意味では、危惧すべきポイントもある。

 ハードウェアの発展とソフトウェアの進化によって可能になった現在のコンピュータビジョンは、われわれの世界に大きな影響を与える技術。その動きは知っておきたいものだ。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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