経営 × オフィス

メリットは多いのに、
なぜ、女性テレワーカーは増えないのか?
――調査結果から見えてくる意外な現状と課題

河合起季
【第5回】 2014年7月25日
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 しかし、テレワークへの関心は高いものの、企業の導入はあまり進んでいない。国土交通省が今年3月に発表した「平成25年度テレワーク人口実態調査」によると、2013年の在宅型テレワーカー数は前年比210万人減の約720万人、狭義テレワーカー数は前年比280万人減の約1120万人と、どちらも前年に比べて減少している。

 2012年の在宅型テレワーク数は、前年に比べて約440万人も増えていた。ブームが到来し、たちまち去ったかのようだ。

※「狭義テレワーカー」とは、ふだん収入を伴う仕事を行っている人の中で、仕事でICTを利用している人、かつ自分の所属する部署のある場所以外で、ICTを利用できる環境において仕事を行う時間が1週間あたり8時間以上である人。

※「在宅型テレワーカー」とは、狭義テレワーカーのうち、自宅(自宅兼事務所を除く)でICTを利用できる環境において仕事を少しでも行っている(週1分以上)人。

(参考)国土交通省:平成25年度テレワーク人口実態調査

非正規雇用者のテレワークが
難しい理由

 では、本題の「女性の働き方に関するアンケート」で浮き彫りになった課題を見ていこう。調査対象は20~59歳の働く女性、調査期間2013年12月3~24日(インターネット調査)、回収は2061人。このうち約4割の人が、所属部署がある場所以外で日常的に何かしらテレワークを行っている。

 テレワークの主なメリットとしては、(1)家庭生活が充実する、(2)居住地を自由に選ぶことができる、(3)通勤の負担がなくなる、(4)子育てとの両立がしやすい、(5)仕事や働き方の選択肢が増える――などが挙げられた。一方、デメリットとしては、(1)オン・オフの切り替えが難しい、(2)仕事に対する自己管理・モチベーションの維持が難しい、(3)会社や職場でのコミュニケーションが取りづらい、(4)自宅でテレワーカーとして働く環境が整っていない――が高い割合を示した。

三菱総合研究所・情報通信政策研究本部の江連三香主任研究員

 一方、企業に関する質問では「テレワークで仕事をする人の時間管理をするのが難しい」を指摘する割合が最も高かった。三菱総研の情報通信政策研究本部の江連三香主任研究員は、この点が企業に導入を踏みとどまらせる大きな要因の1つと見る。

 「業種や職種、文化によって、どれだけ厳密に時間管理を行うのが適正かが変わってきます。9時から17時まで入力作業といった業務であれば、時間管理は必要でしょう。ログイン・ログアウトを勤務時間とみなす管理の仕方もあります。

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