オリンパスと松下電器、シグマなどのカメラ・レンズメーカーが共同で策定したデジタル一眼レフの規格「フォーサーズシステム」。通常のデジタル一眼レフの規格に比べ撮像素子が小さいため、ボディやレンズを小さくできるという触れ込みで登場したが、実際は従来のデジタル一眼レフとそれほど変わらない大きさのものしか登場しなかった。

 最近ではオリンパスE-410/420という小型の機種が登場したが、かねてから期待されていた超小型システムとまではいっていないのが現状だ(デジタル一眼レフとしてはかなり小型だが)。

 そのような状況の中、オリンパスと松下電器から発表されたのが「マイクロフォーサーズシステム」だ。

マイクロフォーサーズシステム
マイクロフォーサーズシステムのイメージイラスト。このイラストを見る限り、手のひらサイズの超小型レンズ交換式デジタルカメラが期待できる。フォーサーズシステムの画質は定評があるので、その画質は維持してもらいたいところだ。

 マイクロフォーサーズシステムのポイントは、撮像素子のサイズは従来のフォーサーズシステムと同様だが、フランジバック(※1)は約半分の約20mmに短縮され、マウント外径(※2)を約6mm縮小。そしてマウントの電気接点を9点から11点に増やしたことが挙げられる。

 簡単に言えば、従来のフォーサーズシステムをベースに、より小型の規格になったということだ。このマイクロフォーサーズの発表によって期待されるのが、超小型レンズ交換式カメラの登場だ。

 フランジバックが短くなったことにより、一眼レフに装備されているミラーボックスが格納不可能になるため、光学ファインダーの搭載は無理。そこで、コンパクトデジタルカメラのように、背面液晶を見ながら撮影する「ライブビュー」や「EVF(※3)」での撮影となる。このため、光学ファインダーを格納するスペースが不要となり、ボディの高さを低くすることができる。また、フランジバックが短くなることで、ボディの厚さも従来よりも薄くすることが可能だ。

 加えてマウント外径が6mm小さくなることで、レンズもこれまでよりも小さく設計することができるようになる。また、フランジバックが短くなることで、レンズの設計の自由度もかなり上がる。

 つまり、マイクロフォーサーズシステムが実現されれば、ボディ、レンズともに小型・軽量にすることができるのだ。