女性が働くことが当たり前になった時代。

安倍政権も成長戦略で女性の活躍推進を大々的に打ち出し、ますます働く女性の登用や活躍が求められています。そうしたなかで、働く女性たちはどのように職場を生き抜けば、“働きがい”を感じながら、自らの“キャリア”を構築していけるのでしょうか。

この連載では「働く女子の職場サバイバル術」と題し、さまざまな女性の立場や状況から、男性がなかなか気づかない働く女性の現状と彼女たちが密かに抱えている問題を考えていきます。

独身女性と子育て中の女性は、
本心で交じりあえない!?

<事例>

 ある企業の人事担当者より、女性のキャリアについて以下のような相談がありました。

「当社の女性は、独身女性と、結婚して子どもがいる女性の層がいて、その両者はあまりうまくいっていないようで…。会社としては、女性活躍支援として、それぞれの女性のキャリアを支援していきたいのですが」

 女性同士ならどんな立場でも理解しあえるだろうと多くの男性社員から思われがちですが、じつは、このような話はめずらしいことではありません。

 人事担当者に詳しくお話をお聞きすると、次のように返ってきました。

「まあ、年齢も社歴も違いますし、普段はそれでもいいかもしれないのですが、なにか問題が起きた時、この立場の違いが対立を生むことがあって。

 例えば、急ぎの仕事などが発生した場合、短時間勤務の女性は時間に制約があるため、残業してまで対応することができません。そんなとき、仕事のしわ寄せが来てしまう独身女性が、『子どもを理由に残業断れていいな』などと、つい、つぶやこうものなら、一瞬にして現場の空気が凍りつくのです。

 でも、短時間勤務の女性も、残業では対応できないけど、時間中は精一杯対応しているし、肩身が狭い思いで罪悪感を抱えながら退社しているという言い分があります。彼女たちからすると、むしろ独身女性のなんの制約もない働き方がうらやましいという想いさえある。そんな中で、嫌味を言われるとかなり堪えているようで…。『このままでは、家庭と仕事を両立する自信がありません…』と人事部に、相談に来る人もいます」

 人事担当者としては、それぞれの立場の女性に活躍してもらいたいだけに、困惑した様子でした。