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マーケターとしての自信を揺るがした
ソーシャルの破壊力
――佐分利ユージン アドビ システムズ日本法人代表取締役社長に聞く

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第45回】 2014年9月22日
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――日本のデジタルマーケティング市場は、まだ立ち上がっていないと発言しています。

佐分利 個人的な意見ですが、日本企業の特徴は、事業単位で業務が完結していることです。なので事業ごとに見た場合、品質も高く、顧客との密な関係性も維持できていると思います。

 ですが、デジタルマーケティングを実現するためには、事業単位ではなく、全社的に事業部横断型で取り組むことで最大のメリットが発揮されます。もちろん、顧客の許可を取ったうえでになりますが、企業内に分散した顧客情報を1つにまとめることで出てくるメリットは、はかりしれません。たとえば販売データとCRMの情報を組み合わせるだけでも、得られるインサイト(発見)はいくつもあると思います。

 少しずつ変わってきていますが、日本企業の縦割りの情報管理に横串を入れていくことがさらに必要だと思います。

企業のマーケティング診断で
現状理解を促す

――具体的には、新社長として何をしますか?

佐分利 導入を検討している企業には、先行している企業の事例を紹介しながら、デジタルマーケティングは業績向上につながることを説明していきたいと思っています。

 実際に企業にどうやって説得して回るかについては、まだ細かいプランには落ちてませんが、たとえば、商談の一環として企業のマーケティングの現状について「アセスメント(診断)」を実施する。それを業界の標準と比べてどうなのかを見比べるなどして、検討していただくことになると思います。

――とはいえ、すでに導入済みの企業は、デジタルマーケティングを導入することで、さらに伸びる循環に入っている気もします。そうした好循環に入れない企業に対して診断をしても、格差ばかりが目立つのでは?

佐分利 確かに、デジタルマーケティングの取り組みでは格差が出てくると思います。しかし、先端をいく企業に対してだけでは、営業先が限られてしまいます。また業種によってもマーケティングへの取り組みやすさが異なります。取り組みが遅れている企業に対しては、丁寧に説明する必要があると思いますが、その場合もデータは重要です。

――まず、どのような業種を狙いますか?

佐分利 たとえば小売業。「オムニチャネル」というキーワードもありますが、店舗とWebサイトの連携で個客のマーケティングが可能になっています。

 小売業がなぜおもしろいかというと、デジタル技術がすでに店舗の棚の末端まで入っているからです。例えば食品を扱う企業などでは、賞味期限のデータベースなどがすでに出来上がっています。そうしたデータとマーケティング機能を組み合わせれば、まったく新しい収益源が見つかる可能性もあります。

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