10月24日のお昼どき。今年3月にオープンした「COREDO室町2」の隣に竣工した真新しい神社では、何人ものサラリーマンが列をなしてお参りをする姿が見られた。日本橋に誕生した福徳神社だ。

 竣工したといっても、福徳神社の歴史は古く、貞観年間(860~867年)には、すでにこの地に鎮座していたとも伝えられる、東京でも有数の古社だ。

COREDO室町など、大きなビルに囲まれた福徳神社。サラリーマンだけでなく、観光客もおおぜい参拝に立ち寄っていた

 徳川家康も参拝したという由緒正しい神様は、江戸時代中期頃までは、商家が軒を連ねる繁華街となった日本橋で大切にされていたのだが、江戸時代後期から最近までは不遇の連続だった。

 廃社や火災による消失、再開発などによって、居場所が定まらないまま、日本橋地区をお社だけが点々としていた。なんと、居酒屋の片隅が神様の居場所だった時期もあるという。

 最近では「お祭りをしても『こんなところに神社があったんだ』と驚かれるくらい、存在感が薄かったんです」。宮司の真木千明氏は、こう話す。

 “流浪の神様“と新聞記事になったこともある福徳神社を、日本橋再開発のシンボルとしてよみがえらせることを決めたのが三井不動産だ。