経営 X 人事

ならず者たちはフォロワーシップを
発揮できるのか

自らを映しだす「鏡」
~1on1チェック~

 一方、1on1ミーティングの導入の決定と同時に実施を決めたのが「1on1チェック」です。

 部下が上司とのミーティングを評価する3ヶ月に1回のアセスメントで、「実施頻度」「内省効果」「気づき」「キャリア自律」「目標達成・評価」の項目ごとに採点し、数値化されます。

 1on1チェックは、1on1ミーティングが目的にかなっているかどうかを部下視点から評価し、その結果を見つめ、改めて部下と話し合うきっかけを作り出します。上司と部下それぞれの、期待と実際のズレを補正していくことによって1on1ミーティングのクオリティ担保と向上につなげています。

 また、評価ごとにフォロープログラムを提供しました。高い評価を得ている管理職は社内コーチ養成プログラムを受け、社内コーチとして活躍してもらいます。逆に低い評価を受けた管理職にはなぜそのようになったのかを考え、内省してもらいます。

 このアセスメントに対する抵抗感はある程度予測していました。1on1ミーティングを実施することを義務付け、それが機能しているかどうかを部下から評価される。これは上司にとっては苦しいことかもしれません。しかし自らを映す「鏡」を持つことで内省し、成長につなげるのは上司も同じことなのです。

 振り返ると1on1チェックを実現するための要素として欠かせなかったのはトップのコミットメントです。トップ自らが1on1ミーティングの重要性を理解し、率先して実践し続けたことは何よりも強い追い風になりました。

週に2500時間をかける価値がある

 こうして実際の1on1ミーティングに加えて1on1チェックとその後のフォローまでを改めて見直すと、膨大なコストと人的リソースを注いでいます。

 1on1ミーティングだけでも、約5000人の社員が週に一回、30分行っていると考えると、週に2500時間をかけていることになります。

 それでも私たちは1on1ミーティングがフォロワーシップを引き出すための大きな要因になると私たちは考えています。

 まだYahoo! JAPANの改革は始まったばかりです。ならず者たちはもっと上を目指します。

 1on1ミーティングも、もっともっと素晴らしい価値を生み出せるものになるに違いありません。

 次回は、Yahoo! JAPANの行動指針である「4つのバリュー」についてお話しさせていただきます。

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2002年地元の仙台にて菓子製造小売業を起業し、2005年ヤフー株式会社に入社と同時に28歳にして初の上京。
ヤフーオークション、ヤフーショッピングの企画・営業を経験後、2012年より組織開発・人財開発に携わる。
 


ヤフー「爆速人財育成」の秘密

2012年4月に新体制に移行し、「爆速」をキーワードにスピード経営を進めるヤフー。企業提携や新サービスの展開など、その事業はダイナミックに拡大成長する。その爆速経営の基盤の一つとして、人材マネジメントも変革してきた。本連載は、ヤフーの人材マネジメントの根幹である「1on1ミーティング」を軸に、育成の秘密を明らかにする。

「ヤフー「爆速人財育成」の秘密」

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