サブプライム問題の震源地である米国よりも、日本の株価下落が大きかったことに、得心がいかない投資家が多いようだが、それは今の日本経済の急激な落ち込みを見越していたともとらえられる。
日本はサブプライム問題の影響が軽微だといわれていた。確かに欧米の金融機関が四半期ごとに出してくる損失額と比べ、国内金融機関の損失はたかが知れている。いまだに取り付け騒ぎも起きていないし、失業率も高くなってきたとはいえ、5%を下回っている。
ところがふたを開けてみれば、日本の落ち込みが大きくなっている。グラフは、各国株価指数の予想EPS(1株当たり利益)の前年比変化率を示したものだ。これをもって株価指数採用銘柄の業績変化率と見なした。
ひと目で日経平均株価の落ち込みは群を抜いていることがわかる。新興各国と比べても同様だ。日本はなぜこんなにも厳しい状況に追い込まれたのだろうか。