近現代史を中学高校で
徹底的に叩き込む中国

 もう一つは歴史教育の違いがある。日本では大学受験の受験科目やそれぞれの高校のカリキュラムによって、人によっては近現代史をほとんど勉強しないで高校を卒業するケースも少なくない。

 一方、中国では歴史は必修科目で、以前は中学校3年間で1冊120ページの教科書が6冊。高校3年間で同じく1冊120ページの教科書が3冊ということもあったという。

 こうした中国の歴史教育について、中国の歴史教科書を研究するある中国人研究者は次のように話す。

「中国では国を挙げて歴史研究が行われており、新たな資料や史実がわかったときは、すぐ翌年の教科書に反映されるほど、近代史を重視しています。もっとも、日本では中国の近代史重視の歴史教育を“反日教育”と称しますが……」

 歴史教育については、「確かに多くの日本人が近代史、特に第二次世界大戦で日本がアジア諸国に対してどのようなことをしてきたか、という知識は不足している」と、問題視する声も出始めているという。

 しかし、靖国神社参拝などの歴史認識問題について日本側は、「信教の自由があり、他国から干渉されるようなものではない」というスタンスだ。また、アジア諸国への植民地支配と侵略によって多大な損害と苦痛を与えたことを明記し、痛切な反省の意と心からのお詫びの気持ちを表明した「村山談話」を歴代の内閣が継承しており、歴史修正主義的な考えではないとしている。

 だが、前述したような日中国交正常化に至るプロセスや歴史教育の重視度の違いから、どうしても日中間で問題になってしまう背景は押さえておきたい。

 もし閣僚が参拝をするなら個人として参拝をするべきだと、前中国大使の丹羽宇一郎氏は本サイトのインタビューで語っている。

*参考記事
『4つの日中共同声明に立ち帰り、趣旨を確認せよ 安倍・習両首脳に42年間の努力を覆す権利はない――丹羽宇一郎・前中国大使インタビュー』