春からの新生活に備え、賃貸住宅を探している人も多いだろう。昨今、「DIY賃貸」や「シェアハウス」が話題になっているように、賃貸住宅の選択肢も多様化している。最新の賃貸住宅市場はどうなっているのか。ポータルサイトの活用方法や、住まい選びのチェックポイントは? 住まい選びに役立つ情報をまとめてみた。
空室率上昇で、賃貸派の選択肢は増えている
進学や進級、就職などで、一大引っ越しシーズンがそろそろ始まろうとしている。
景気の回復につれて物価も徐々に上がっている昨今だが、賃貸住宅市場にもその影響は出ているのだろうか。
平成25年の総務省住宅・土地統計調査によれば、日本の空き家率は過去最高の13.5%となった。総住宅数が増加する一方で、空き家は増え続けている。これは住宅を選ぶ側にとっては選択肢が増えていることを意味する。
賃貸住宅においては、敷金や保証金、礼金はもちろん、仲介手数料が不要の物件も年々増加する傾向にある。初期費用を必要としない物件が増えれば、住み替えの自由度はより高まっていくだろう。
また、賃貸住宅の競争力を高めるために、不動産オーナーは個性的な住宅やこだわりの住宅を造るようになっている。最近では、複数人が共同で暮らすシェアハウスや、住民同士のコミュニケーションがあるスペースを設ける賃貸住宅なども人気で、ついには入居者が室内を自由にカスタマイズできる『DIY住宅』も登場した。
つまり、趣味やこだわり、人との触れあいなど、自分のスタイルに合った部屋探しが可能になってきているのだ。
住まいにこだわりのない人はモテない!?
選択肢が豊富になったとはいえ、実際に探すとなると、なかなか理想にぴったりの部屋は見つからないものだ。20~30代の男女に対して行ったアンケート(※)によると、「自分の理想とする住まいに住めている」と答えた人はわずか34.3%にすぎない。
その理由は、探す段階で失敗しているからだろう。
「いい物件」を選んだつもりでも、実際に住んでみたら、こんなはずではなかった……ということは少なくない。
立地と家賃だけを基準に決めたら、近くに買い物ができる店舗や病院がなく不便な環境だった。
昼間の内覧で気に入ったものの、夜は街灯が少なく安全面が不安。
駅近の割に閑静な雰囲気だと思ったら、休日はうるさくて窓が開けられない。
夜に人の出入りが多い部屋があり、落ち着かない。
他の部屋の水道やトイレ、エアコン室外機の音が響く。
共有部にゴミが散乱している。
日当たりはいいが、風が抜けないため、夏は灼熱。
などなど、部屋探しでの失敗は、枚挙にいとまがない。
さらに、先のアンケートで「住まい選びにこだわりを持っていない男性の73.4%に恋人がいない」という驚くべき結果も出ている。せっかく選んだつもりでも失敗するわ、こだわりがなくても生活は充実しないわでは、期待に膨らんだ新生活も台無しだ。もはや住まい選びを成功させることは、人生を左右する重大な決定事項といえるのではないだろうか。
ではどうしたら、満足のいく住まいを選ぶことができるのか。
そのためには、さまざまな条件や希望を満たす物件をどのようにして見つけるか、だ。
賃料や間取り、立地は確かに重要なポイントだが、周辺環境や生活の便利さ、セキュリティなど、幅広い視点からチェックする必要がある。後でその際に役に立つチェック表を紹介しよう。
※ネクスト「20~30代の男女に聞いた『住まい』に関する意識調査」(インターネット調査 2014年11月12~13日 n=824)