どのような人材が
どこで育つのか?

 各国の外部労働市場を把握します。

 どういう人材がその国や地域で育つかはその国や地域の教育政策や労働市場の環境などに左右されます。意識的であるかはどうかは別として、国も地域もタレント・マネジメント戦略があるので、その戦略にあわせて企業も人材・採用戦略を立てるのがベストです

 例えば、日本のIT企業がIT技術者を世界から採用しようと考えると中国やインドがターゲット国としてすぐに思いつきますが、プログラミング能力の点ではロシアや東欧諸国の人材の方が優れていることが多いです。

 その大きな理由は、国の教育政策(目標)と教育環境です。インドの高等教育ではどちらかというと理論重視なので、プログラミングといった実務的な科目には力を入れていない傾向があります。また、大学内のコンピュータリソースは充実しています。

 一方、東欧諸国は、そもそも、パソコンなどのコンピュータリソースが圧倒的に不足しているので、頭の中でロジックを考え、シュミレーションしなければいけないことが多く、プログラミングのセンスが研ぎ澄まされるということらしいのです。つまり、教育環境が育つ人材のタイプや質を規定している面があるのです。

 また、アメリカは、地域ごとに、タレントマネジメント戦略が存在しています。シリコンバレーならハイテク人材、ニューヨークのウォール街は金融人材、そしてハリウッドならエンターテイメント人材のように世界中からその分野のプロが集まっています。また、アメリカの高等教育は産学連携が盛んで、実学重視です。

 ニューヨークでは、コロンビア大学やニューヨーク大学が財務系人材を、シリコンバレーでは、スタンフォード大学やカリフォルニア大学 バークレイ校がIT技術人材を、そして、ハリウッドであれば、カリフォルニア大学 ロサンゼルス校や南カリフォルニア大学がエンターテインメント人材をそれぞれ育成、輩出していることで知られています。

 日本で置き換えると、名古屋大学や名古屋工業大学の工学部出身者がトヨタを始めとした自動車関連企業に人材を輩出しているイメージでしょうか。

 人が集まるところには、お金が集まり、競争が起き、ハイクオリティの商品・サービスが生まれる土壌ができあがります。その結果、世界に通用するビッグ・ビジネスが誕生するのです。