カギとなるのは
部下の人数

 では、理想的なレイヤー数とは、いくつなのでしょうか? その考え方を紹介しましょう。

 最初に、社長が何人くらい直属の部下を持てるかを考えます。多分、20人から30人といったところでしょうが、仮に20人としましょう。

 社長の部下である役員は、1人当たり何人の部下を持てるでしょうか。少なくとも社長の半分くらいは持って欲しいので、10人とします。

 その下の、部長は何人の課長を見られるでしょうか。こちらは、6人としましょう。

 そして、その下のマネジャーにも、6人の部下を持ってもらいましょう。

 このように、1×20×10×6×6……と続けていき、その積が社員数になったところで終わりです。

 こうやって階層を決めると、社員数が5万人の当社の場合、階層は6つです。私の前の職場であるGEの社員数は30万人ですが、階層は7つが理想です。5万人で6階層、そこから階層を1つ増やすだけで、30万人になる。

 つまり、この発想に基づけば、社員数が大きく増えても、階層が大きく増えることはないのです。

 しかし、多くの企業では、会社の規模と関係なく、よその会社がやっていると、真似をして組織をつくってしまう。だから、社長がいて役員がいて、部長、課長、係長くらいで止めておけばいいのに、社長の下に副社長や専務を置き、さらに、次長や副部長も置いて、と、どんどん役職を増やすごとに階層が増え、結果、伝言ゲームもどんどん複雑になっていくのです。

 では、階層を極限まで減らせばいいかというと、そういう話でもありません。

 かつて組織のフラット化が叫ばれ、1人のマネジャーが20人もの部下を持つ文鎮型組織などもありましたが、現実的に考えれば、中間管理職であるマネジャーが部下を20人も持つなどということは不可能です。1人で、それだけ多くの部下を見ることはできません。
 これも経験値ですが、6人というのは、議論を活発にし、組織としてタイムリーに結論を出すのにちょうどよい人数です。

 フラット化することはもちろん大切ですが、そこには、みんなが納得する理屈がなければいけません。

 管理する部下の数に合わせて組織の階層を考えるということは、極めて当然のことです。

 人事であれば、そして戦略人事をめざすならなおさら、組織というものをどうつくるか、自分の下に何人置くのが理想なのかといったことについて、自分なりの考えを持つ必要があるのです。