撮影:臼井美喜夫 |
小売り業は、“小売りの輪”の宿命を持っている。
最初は低コストと低価格帯で参入するが、やがて高コスト体質となる。1971年に誕生したユニーもそうだ。時がたつにつれ、ホームセンターやドラッグストアなど新規参入組に攻め込まれ、差別化する必要が出てきたので、83年にアピタ1号店を出店した。
アピタは95店舗あり、売上高は5500億円。食品以外の衣料と住居で4割を占め、高品質を志向する。ファッションやライフスタイルの分野は高・中・低の品揃えで、価格帯を2つ3つつくる。
そして、従来のユニーとユーストアは、2008年8月の合併に伴い店名をピアゴに改めている。こちらは、食品と実需品が中心で価格競争力を高める。われわれは、台頭してきたディスカウンターと戦わなくてはならない。社内外に再出発するというメッセージを伝えるためにも店名を変えた。
プライベートブランド(PB)商品は、関西圏地盤のイズミヤと四国のフジと3社共通の商品を立ち上げる。ユニーは20県下に展開するが、地域的にこれ以上広げるつもりはない。他地域に強い同業者と協業するメリットは大きい。
日本では小売り業は地域ドミナントに徹することで最大の効率が出ると考えている。福島県から奈良県までを出店地域とするスーパーリージョナルチェーンを目指し、その他の地域への出店は控える。
一方で、日本は人口減の時代を迎えた。次の100年を生き残るために中国に出店し、アジアを次のマーケットにする。(談)
(聞き手:『週刊ダイヤモンド』編集部 須賀彩子)