アンケートが
企業と顧客の距離を縮める

 セルフアンケートの使われ方にも特徴が見えてきた。

 中野氏は「Questantをご利用になられているお客さまの中には、マクロミルでリサーチを実施したことがない方も多い」と言う。「大学などのアカデミック関係、外食・流通企業、スタートアップ系のIT企業など、コスト面での障壁からアンケートを見送っていたケースでは、セルフアンケートが積極的に使用される」というわけだ。

【スペシャル対談】<br />大手3社がセルフアンケートを語る

 田口氏も「顧客は価格的なメリットを感じている。今まではリサーチの対象にならなかった小予算のプロジェクトでも利用できるようになり、例えば複数のプロトタイプを事前にある程度の数まで絞り込んでから開発を行うといった用途にも使われています」と利用層拡大の手応えを語る。

「CREATIVE SURVEY」はデザインを重視し、コミュニケーションを意識していることもあり、キャンペーンでのデータ取得などにも利用される。具体例では、新潟県旅館ホテル組合が行った投票キャンペーン「2014年にいがた旅館総選挙」(2014年4月12日~6月30日)の投票フォームとして利用されるなど、既存のリサーチとは一味異なり、幅広く顧客との接点を提供している。

 ビジネスの場では質を高める役割を担う。

 その一例として、中野氏はマーケターとユーザーの距離を縮める役割を果たすことを挙げる。

「セルフアンケートを利用することで、PDCA(計画→実行→評価→改善)を回す頻度を増やせるようになります。これにより意志決定の精度やミーティングのクオリティが高まります。セルフアンケートは、それを支援していると感じています。企業自らがアンケートを手がけることで、よりユーザーを見るようになったのではないでしょうか」

 伊藤氏も見方は同じ。
「企業と消費者の距離が縮まりました。欧米先進国から見ると日本のリサーチアンケート市場は小規模です。これは企業が消費者との対話を軽視してきた現れでしょう。それでも日本は人口1億人の単一市場という特徴があったから、ビジネスは成立してきた。しかし今はもう違います。企業は距離を縮める努力を求められている。ロングテールの企業であっても消費者に近づくことができるようになったという意味で、セルフアンケートツールの貢献は大きい」