内閣府は6月22日、20代、30代を対象にした「結婚・家族形成に関する意識調査」を公表した。わが国の若者は草食化していると言われて久しいが、さて、結果はどうだったのだろう。
「恋人が欲しくない」が20代で4割
まず、未婚者、かつ現在恋人がいない人に「恋人が欲しいですか」とたずねると、60.8%の人が「恋人が欲しい」と回答した。男女間で大きな差は見られないが、20代では男子の39.7%、女子の41.1%が「恋人が欲しくない」と答えた。なお「恋人が欲しい」という人は過去に「交際経験あり」では69.7%であるのに対し、「交際経験なし」では47.0%にとどまる。格差は20ポイント以上ある。経験を積まないと恋愛の楽しさは分からないということだろうか。
なぜ4割もの若者が、恋人が欲しいと思わないのだろうか。その理由をたずねると(複数回答)、全体では「恋愛が面倒」46.2%、「自分の趣味に力を入れたい」45.1%、「仕事や勉強に力を入れたい」32.9%、「恋愛に興味がない」28.0%と続く。20代では「自分の趣味」が、30代では「面倒」がそれぞれ5割前後とトップになった。動物は生涯エネルギーの95%前後を恋愛のために消費しているという研究もあるが(すべての動物は次の世代のために生きているので当然ではあるが)、それに比べると「恋愛が面倒」「興味がない」とうのは動物である人間としてはいささか気になるところである。
次に交際への不安についてたずねると、「そもそも出会いの場所がない」55.5%、「自分は魅力がないのではないかと思う」34.2%、「自分が恋愛感情を抱くことができるのか不安だ」20.5%と続く。男性では「気になる人がいても、どのように声をかけてよいかわからない」21.6%、「どうしたら親しい人と恋人になれるのかわからない」21.6%、「恋愛交際の進め方がわからない」20.3%と、いずれも2割を超えている。僕たちの世代ではまだお見合い結婚が半数近くを占めていて、職場結婚も多かった。今は、恋愛そのものを苦手と考えているにもかかわらず、恋愛結婚の比率が上がっている、そういう時代なのである。
結婚相手の紹介依頼意向をたずねると、54.2%の人が「紹介してほしい」と回答した。ただし「恋人が欲しい」人では「紹介してほしい」が70.2%であるのに対し、「恋人が欲しくない」人では25.5%にとどまる。大人が紹介するにしても、本人の意向をよく確認する必要がありそうだ。