子どもに「自分もしてみたいなあ」と
仕向ける方法
おけいこごとも、すぐに飽きるのが普通です。特に親が決め、親のすすめで習い始めたものは、ものめずらしさがなくなると、興味が薄らぐのは無理もないことです。
ピアノやバイオリンなどを教え込むには、早期に教えて、人としての動きを身につけるのにいいと思いますが、それにはまず子どもに目的のおけいこごとを好きになるように、いろいろ働きかけます。
うまく芝居をして、まずお母さんが好きなものと子どもが解釈できるようにするのです。そして、自分もしてみたいなあと思うように、仕向けることが先決です。
「好きこそものの上手なれ」と言います。
「習いに行く?」というすすめに「うん」と言ったくらいではダメで、「私もやりたいよ」と何度も要求して初めて「じゃ、がんばるのよ。すぐやめてはダメよ。初めはなかなかできないからね」と約束させます。
本人の希望に親が仕方なしに従ったと思わせておけば、三日坊主になったときも、スランプになったときも、「おまえがやりたいと言ったのよ」との言葉に、再び奮い立つ自尊心は十分にあります。
どうしてもうまくできなくて、放り出そうとすることは、おけいこごとでなくてもよくあります。
そんなとき、
「おまえもママも誰も生まれたときは歩けなかったのよ。しゃべれなかったのよ。どうしていま、おまえは走れるの?」
と言って、うまく体が動くには、長い年月と努力がいることを教えます。
「おまえはなんでもできるようになるのが早かったのよ。すぐうまくなるよ」
が私の口グセでした。