ちなみに、日本のグローバル化を妨げている日本のプレゼン資料の問題点は、資料に「自分の意志や思想」がないことにある。日本では稟議に見られるように、関係者全員で確認しあって物事を決定していく傾向がある。このため、日本式資料では進言・断言せずに不明確であることが極めて多いわけだ。とどのつまり、ハッキリと大事な決断を自分が下す責任を取りたくないのだ。

 それゆえ外国人には、日本式資料は「何が言いたいかわからない」。海外では必ず、資料をつくった人間の「考え・想い」が込められるにもかかわらず、大事な部分をスルーして終わってしまうので、外国人には「オチがなかった」と感じさせてしまうのだ。芸術的にまとまって美しい日本式資料には、実はそんなに罪はなく、「メッセージがぼんやり」して「オチがない」ことの方が、グローバル社会では大問題なのだ。

グローバルでは「自分の当たり前」と
「他人の当たり前」のズレが大きい

 ちなみにグローバルでは、考え方やバックグラウンドが異なる人々が働いているため、「自分の当たり前」と「他人の当たり前」のズレが大きく、当たり前だと思うことも確認する必要がある。 そう言えばサザエさんのセリフも、日本の会話でありがちな「言葉の省略」が少なく、娘の通う週一の日本語の塾でも「良い日本語の教材」としてサザエさんが紹介されている。

 探せば探すほど素晴らしさ溢れる「サザエさん」に倣って資料をつくり、たくさん資料に盛り込みたい気持ちを抑えて、わかりやすさをポイントに資料構成するとロジックも明確化し、図解するとプレゼンの方向性も伝わりやすい。

 日本式資料は、自社文化にも基づいているためすぐには変えづらいかと思うが、 さりげなく「サザエさん」を思い出して、シンプルに研ぎ澄まされた資料づくりを目指そう!

(4)見た目でプレゼン成功率55%アップ?
「メラビアンの法則」とは

 プレゼンの基礎に基いてマイナス要素を除去した後で、大事になってくるのがプラス要素だ。

 コミュニーションの有名な法則で「メラビアンの法則」というものがある。相手にメッセージを伝えるとき、言語情報(内容)が7%、聴覚情報(話し方等)が38%、視覚情報(見た目・ボディランゲージなど)が55%の重要度を持っている、という法則だ。