不況の雪解けを待ち焦がれる日本経済。景気は底を打ち、本格的な回復段階に入りつつあるという見方も増えている。GW(ゴールデンウィーク)終盤にピークに達したギリシャの信用不安により、一時金融市場が暴落したが、直近では落ち着きを取り戻しつつある。実際、連休後の報道を見ると、今年の「GW消費」は意外なほど好調だったようだ。1年の景気動向を占ううえでも重視される「GW消費」は、どれほど盛り上がったのか? 詳しい事例を見ながら、景気本格回復への可能性を探ってみよう。(取材・文/友清 哲、協力/プレスラボ)
ギリシャ・ショックの不安は残るも
景気回復への光が見えた「GW消費」
「ギリシャ・ショックで株式市場が暴落し、投資信託で大損してしまった」
突如世界を襲ったギリシャの信用不安パニックにより、金融市場は一時大混乱に陥った。このように、大事な資産を目減りさせてしまった投資家も多いだろう。
しかし、金融市場は間もなく落ち着きを取り戻した。依然予断を許さない状況が続くものの、一部で景気の本格回復入りが囁かれ始めた日本の実体経済が大きな影響を被る気配は、今のところなさそうだ。
この「ギリシャ・ショック」と前後して、不安を吹き飛ばすかのように連休明け早々から相次いでいるのが、「今年の“ゴールデンウィーク消費”が思いのほか盛り上がった」という報道である。
それは、不況により割安な商品・サービスが増えたこと、前政権から続く高速道路料金の値下げ、4月後半まで続いた天候不順が解消されたことなどにより、消費が盛り上がった影響が大きい。そのベースには、これまで節約に節約を重ねてきた一般家庭が「節約疲れ」を起こし、大型連休を契機にサイフのヒモが緩み始めたトレンドがあると言われる。
実際、連休後の1週間に、全国各地から明るいニュースが続々と飛び込んできた。1年の景気動向を占ううえでも重視される今年の「GW(ゴールデンウィーク)消費」は、どれほど盛り上がったのだろうか?