原発再稼働に突進する電力会社は、倒産する!!

 2016年4月以降、どんな激動になるのかわかりません。莫大な金が動く電力マーケットです。これが私たちの希望です。伊方原発が動く前に、四国全土で圧力をかけるように運動を呼びかけていきましょう。4月から電力問題は一変するはずです。電力会社は今、経営が苦しく、かろうじて電気料金値上げと、原油価格の暴落で利益を出し、息をついている状態です。
 収益が吹っ飛べば、原発に固執する電力会社が生き残る道は、電気料金値上げしかない。

 ところが、電気料金値上げを実施すれば、ますます電力会社離れが、急加速する。かくして、原発再稼働に突進する電力会社は、倒産する!!

 これからは、企業側が、雪崩のように電力会社離れを起こすでしょう。
 というのは、すでに川内原発を動かした九州でも、企業が、大幅な電気料金値上げをした九州電力とは契約を打ち切って、新電力の人たちからどんどん電気を買うようになっているからです。大幅な電気料金値上げをした関西電力でも、北海道電力でも、同じように電力会社離れが加速しています。そういう状況が現実に、日本全国でどんどん起こっているわけです。

 私たちは原発がない2年間をすごしてきて、なぜ電気が足りているのか、真剣に考えていますか。詳細は、ダイヤモンド書籍オンライン連載の第8回をご覧ください。

原発事故後、電気を供給してくれた
「恩人」は誰か?

 原発事故のあと、実は多くのエネルギー企業やガス会社が、私を講演会に招いてくれました。日本のガス会社を訪ねると、本当に優秀で、真剣に環境問題を考えています。私もエネルギー企業やガス会社の人と手を組んで、この4年間、日本中を走り回ってきました。

 原発事故のあと、すべての原発が完全に止まった2年間がありました。その間、どこから電気がきていたのでしょうか。この人たちが電気を生み出す知恵を出してくれるから、こうやってパソコンやパワーポイントを使って講演会ができるわけです。この人たちに、感謝していないのはオカシイですよ。

2016年4月1日は、<br />全電力会社が潰れる日!?<br />――エッセンシャル版・緊急特別講演会<br />【最終回】

 自然エネルギーばかりが叫ばれていますが、この表にあるとおり、原発ゼロだった2014年度には太陽光発電などの新エネルギー(再生可能エネルギー)が全体のたった3%しか貢献していないのですから。

 確かに、2015年には自然エネルギーがかなり実績をあげましたが、基本的には、ゆっくり普及すればいいのです

 いま原発を止めるのに必要なのは、目の前の電力供給能力です。非常に高性能のガスと石炭の2本柱が、われわれの電気を78%もまかなってくれたのです。

 新エネルギー(再生可能エネルギー)が普及すれば、中東から石油を輸入する必要がなくなる、という人もいますが、それはウソです。石油は、主に電力に使われているのではありません。自動車のガソリンと、大量の化学製品の製造のために、これからも中東からの輸入は必要です。一方、ガスは、いまや中東からの輸入ではなく、オーストラリアやアジア太平洋地域などの全世界から供給されています。

 みなさんは、ガスに、まず感謝してください。これまでの蒸気ボイラーだけを使った発電機と違い、天然ガスを燃やすガスコンバインドサイクル発電機があります。
 4つのタービンで発電機を回すと、非常に効率がいい。原発の2倍のエネルギー効率があるのです。

 原発は3分の2の熱を海水に捨てて、エネルギー効率が非常に悪い。ガスを使えば、その2倍の効率で発電できる。
 それが今、日本全土に広がっている「ガスコンバインドサイクル」です。コンバインドサイクルの燃料は? みなさんの都市の台所のガスコンロで燃やしているのと同じメタンガスです。クリーンなメタンが、酸素と結合して熱を出してくれるのです。

 コンバインドとは、コンビネーション、つまり、4つのコンビ(組合せ)なので、「コンバインドサイクル」と言います。これが全国で広がっているのです。東京電力管内では、横浜、川崎、千葉、品川など、大工業地帯の都市で発電してくれているのです。

 これなら、福島や新潟の人に迷惑をかけずに、首都圏の電力は首都圏でつくれるのです。地産地消です。また、東京電力だけでなく、関西電力管内にも次々と「コンバインドサイクル」の輪が広がっていますから、これを広げればいいのです。

 産業界は先に進んでいまして、原発事故以前と現在とを比べると、たくさんの電気を使う真夏のピーク電力が、2500万キロワットも減ったのです。大型原発25基分です。なぜにこんなに減ったのでしょう?

 電力不足は、節電で対応すべきだと思われていますが、そうではありません。おもに、大企業が自家発電をしてくれたから、減ったのです。つまり電力会社から電気を買わなくなったのです。
 新聞記事には、電力会社の数字しか出ていませんが、あれは一部の電力データなのです。産業界が知恵を使って、発電を自分でスタートしていることが重要なのです。

 先ほど述べたように、2013年のデータでは、日本の総発電量の25%、つまり、4分の1は電力会社ではなく、自家発電でつくっているのですよ。これを増やしていけばいいだけなのです。

 私が、各企業に講演に行って原発の危険性を伝えると、その企業の人たちは私にエネルギーの技術を教えてくれます。互いに知恵を交換し合って、ここまできたのです。私を招いてくれた企業の人たちは、大きな声では言いませんが、みな猛烈に「原発反対」です。大企業は一応、経団連の中に入っているから、表向きは言いませんが、私が代弁しているのです。

 あの人たち、つまり電力会社以外の全産業が、われわれの味方なのです。
産業界のすばらしい技術がグングン伸びています。電力会社が地域で独占してきた利権が、直接広く全産業にゆきわたるようになるから、はるかに大きな経済活性化の源になるわけです。

 ヤンマーは農耕機の会社だと思われてきましたが、トンデモナイ。
 今は、ガスヒートポンプエアコンをつくっている大エネルギー企業です。

 パナソニックや、アイシン精機などのトヨタ系列のすぐれた企業や、大手都市ガス会社がタッグを組んで、ガスヒートポンプエアコンの最新型を出しています。
 オフィスビルでは、夏場の電力需要の4割は冷房用のクーラー空調ですが、「そのうちの9割を減らせる」のです。

「節電」なんて余計なことを言う必要もなく、電力消費量を減らせるのですからね。デパートだって、コンビニ、スーパーだって、客に入ってもらうためには、真夏に節電をしたくないのです。日本の都会人は、エアコンがないとダメな人種なのですからね。お店を冷房しないとお客がこないのです。デパートに入って暑かったら、みんな嫌がるのです。

病院や、障害者のための福祉施設は深刻で、電気がなければ亡くなる人がたくさんいます。節電できない人がたくさんいるのです。
 その人たちを考えると、今までどおりにやってゆけばいいのですから。これでいいじゃないですか。何も社会構造を大きく変える必要はない。まず原発をゼロにして、日本人全体が生き延びることです。あとは、ゆっくり進歩すればいい。

 結論を言います。
次の大事故が起こる前に、すべての原発を止めましょう。

 2016年4月1日の電力自由化を機に、新電力に切り替えようと、周りの人に呼びかけてください。日本全国の企業にも呼びかけてください

 原発を推進する電力会社が経営破綻したとき、はじめて彼らが目を覚まします。たとえ集会やデモに直接参加できない人でも、この世論を高めるのに、みなさんの力を貸してください。
 現在、COP21でパリ協定が結ばれた、というニュースが大きく報道されていますが、ヨーロッパではCOP21に対する猛烈な反対デモがおこなわれてきたのに、日本ではまったく報道されていません
 あの国際会議の議論には、何ひとつ科学的な根拠がないからです。
 私たちのまわりの気温を上げているのは、二酸化炭素(CO2)ではなく、大都市を中心としたヒートアイランド現象なのです。
 そもそも、南極の氷が融けると海水面が上昇する、と言って危機を煽ったのが二酸化炭素温暖化説ですが、南極の氷は増え続けて、日本の南極観測部隊が、この2~3年ほど接岸できないほど寒くなっているのです。
むしろ寒冷化しているのですよ。
 新聞記事をよく読んでください。
 気温上昇でも、海水面の高さでも、「100年後には、最大……」になると書かれているでしょう?
 最大の予測だけを新聞記事は引用していますが、最小の予測をなぜ書かないのですか。
 最小の予測では、ほとんど現在と変らないのです。
 くわしくは、『二酸化炭素温暖化説の崩壊』(集英社新書)をお読みください。
この本に対する反証は、今日まで一切なされていません
 電力自由化については、最近の講演会がYouTubeで見られますので、ぜひご覧ください。面白いですよ!!

 みなさんご自身の体、ご家族の体を守ることになるのだということを、互いに伝え合ってゆきましょう。明日からは、希望を持って語ってください