100万kW原発の81基分が自家発電!

 そのほかにも、自家発電機(一般用エンジン発電機)の生産量は、震災後の2011年~2014年の4年間で、累計8138万kWに達しました。

 いいですか、100万kW原発の81基分ですよ!!
 これらの発電機は、スーパーやコンビニやレストラン、ホテルなどの中小企業にも大普及してきたわけです。

 自動車会社も、ホンダは発電機をたくさん販売しています。自動車のエンジンの回転エネルギーは、そのまま発電機になりますからね。
 フクシマ原発事故のあと、「もう電力会社に任せておけない。電力会社の原発の電気を買ってなるものか!」と自社発電に目覚めた企業がたくさんあります。

 トヨタも、以前なら浜岡原発を動かす中部電力から買っていましたが、自社工場できわめて効率の高い発電をさかんにやり、電力コストの削減に成功しています。

 2016年4月1日からの電力自由化に際し、博報堂による全国調査(2015年3月)では、「原発を使わない新電力に、切り替えますか」というアンケートに、すでに家庭の消費者の64%が、現在の電力会社から新電力への契約変更を望んでいるのです。

 64%の人が「はい」と答えているというのは、原発反対の意志です。加えて、新電力のほうが、はるかに安い電気なのですから、2016年からはみな契約を切り替えるでしょう。

 川内原発が動き出し、国民の怒りが高まった今では、もっと増えているでしょう。

東電を潰す方法

 その結果、どうなると思いますか? ご存じないでしょうが、電力会社にとっての電力収入は、家庭から7割の利益を得ているのです。家庭の消費量は、さきほどのグラフのように、4割なのに、家庭用の電気料金を高く設定しているので、家庭からぼったくってきたのです。代りに、6割の消費量である企業向けの電気料金を低く設定して、そちらからは、たった3割しか利益を出していない。

 そこに、博報堂の調査のように64%の家庭が、電力会社離れを起こすと、64×0.7の掛け算をしてください。電力会社では、およそ45%の収益が吹っ飛ぶのです。

 ただしこの7割の数字は、電力消費地の産業構造によって異なります。
 たとえば、われわれの東京電力管内では、なんと首都圏の電力利益の91%が家庭です。つまり、自由化によって、64×0.91=58%ですから、東京電力が現在得ている収益の58%がふっ飛ぶ計算です。いまだに新潟県の柏崎刈羽原発を断念しないのだから、ざまあ見ろ、という結果になります。
 九州電力では、59%の利益×64%=38%
 四国電力では、54%の利益×64%=35%。いや、原発反対の「愛媛新聞」の世論調査の数字を使うと、
 54%の利益×69.3%=37.4%
の収入=利益が吹っ飛ぶ!!

 この数字が、これから日々高まることは間違いありません。
「私たちは、もうすべての原発を廃炉にして、断念します」と宣言する電力会社が出てくれば、許してやりましょう。しかしその気がないのだから、自由化で鉄槌をくだしましょう。

われわれ消費者が賢く決断すれば、東京電力も、九州電力も、四国電力も、関西電力も、すぐにつぶれるのです。原発を動かそうとする電力会社はすべてです。「経営が苦しいから、電気料金を値上げします」と、勝手なことがまかり通ってきましたが、電気料金値上げは、もう通用しません。われわれが決断すれば、この勝負に勝てるのです。