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消滅可能性自治体が話題になるほど、地方の衰退は激しい。これに対して、地方の復活を目指す地方創生の取り組みは、アベノミクス第2ステージの柱であり、新年はいよいよ実行段階に移る。地方創生の「伝道師」を自任する石破茂地方創生担当大臣に、今後のスケジュールと何を地方自治体に期待するかについて聞いた。(聞き手/週刊ダイヤモンド論説委員 原 英次郎)

地方創生の予算は内容によって
満額もあればゼロ回答もある

――地方創生の現状と今後のスケジュールからご説明下さい。

 地方創生への取り組みは、2014年9月に政府部内で本格的に始まりました。その段階では、自治体の関係者も「KPI(重要業績評価指標)ってなんですか」「PDCA(Plan‐Do‐Check‐Act cycle)ってなんですか」という感じが多かったと思います。

 翌2015年は、地方創生の意義、趣旨を周知徹底し、各自治体が「地方版総合戦略」をつくる1年でした。16年は計画から実行へと本格的に移る年になるでしょう。すべての自治体において、「産・官・学・金・労・言(産=産業界、官=役所、学=地方の高等教育機関、金=地域金融機関、労=労働組合、言=地域メディア)の協力の下、取り組みの成果を測るKPI を設定し、PDCAを回しながら進めていくことになります。

 地方創生は、この国のあり方を根本から変える取り組みです。今まで日本は、高度経済成長、人口増加、地価の上昇など、全てが右肩上がりという環境に恵まれてきました。地方経済は公共事業や企業誘致により維持されていました。ところが、そのような環境が大きく変わってしまった。この間、地方は国が提示する決まり決まったメニューにともすれば依存し、わが市や町の人口をどう維持し、どのようにして活性化するか、つきつめて考えてこなかった部分があるのではないでしょうか。

 16年の3月31日には地方版総合戦略が出揃い、「さあ実行」となります。国としては、新型交付金による財政支援、地域経済分析システムを活用した情報提供、地方創生人材支援制度による人材支援を行っているところです。これらをさらに拡充して、補正予算、本予算で切れ目のない対応 をしたいと思います。