体験しないと分からない!
ハンパなくリアルなVR

 Facebookやマイクロソフト、Google、ソニー、サムスンなど、さまざまなテクノロジー関連企業が今、こぞって力を入れ始めているバーチャルリアリティ(VR)。業界では、2016年はVR元年とも位置づけられている。というのは今年、VRに関連する注目ハードウェアが発売されるからだ。

ソニー・コンピューターエンタテインメントが今年上半期に発売予定としている「プレイステーションVR」のヘッドセット。今年はVRの有力ハードが次々にお目見えする予定で、「VR元年」と言われている

「米国では13年頃からVRを掲げると資金がつくようになり、15年にはVR企業の資金調達額が飛躍的に増えました。株式市場でもブームになるのは間違いない」(野村証券アナリストの岡崎優・エクイティ・リサーチ部エレクトロニクス・チーム ヴァイス・プレジデント)。

 しかし、まだVR自体の認知度は高くない。その理由の1つとして、「VRのすごさは、実際に体験してみないと分からない」ということが挙げられる。

 映像が立体的に見える3Dとも比較されるが、VRで体験できる“リアリティ”は圧倒的だ。たとえば、ホラーゲームなら、ゲーム映像の中に自分が丸ごと入り込むような体験ができるから、味わえる恐怖やドキドキ感はハンパない。3Dの立体感とはケタ違いのリアルさなのだ。

 そんなVRがブレイクするきっかけになると期待されているのが、今年相次いで発売となるVR対応ゲーム機だ。Facebook傘下のOculus(オキュラス)は1月6日、VR対応のヘッドセット「オキュラス・リフト」の予約を始めた。オキュラスはサムスン電子とも提携し、スマホ向けVRヘッドセット「ギアVR」も開発した。また、今年上半期にはソニー・コンピューターエンタテインメント(SCE)が「プレイステーションVR」を発売する。こうしたハードウェアが世に出るのと合わせて、カプコンやバンダイナムコといったゲームソフトメーカーたちもVR対応のソフト開発を進めている。

 野村証券では、20年には、家庭用VR市場はハードウェアとソフトウェア合わせて104億ドル(約1兆2270億円)に成長すると試算している。数兆円~数十兆円になるとの予想もあるなど、野村よりもアグレッシブにVRに期待する専門家もいる。