携帯端末事業から通信ネットワーク事業へ華麗な転身を遂げたフィンランドのノキア。企業の変革に必要な要素とは何か。ノキア変革のけん引役に話を聞いた。

日本の家電はかつてのノキア、過去に固執せず変革をPhoto by Toshiaki Usami

──1月に仏アルカテル・ルーセントとの統合が完了しました。

 モバイルブロードバンドの領域において、彼らは米国で圧倒的なシェアを占めていました。一方のノキアは、ヨーロッパやアジア地域におけるリーディングカンパニー。統合によって、主要3エリアをカバーできる、唯一のグローバル通信インフラベンダーが誕生したことになります。

 彼らとの交渉が始まったのは2013年。そのころ、われわれは試練を迎えていました。かつて隆盛を極めた携帯端末事業が苦境に陥り、「ノキアが破産するのはいつか」と盛んに報じられていました。再びかつての輝きを取り戻すため、われわれはどうすべきなのか。熟慮の末にたどり着いたのが、ネットワーク機器と無線技術事業です。

 クラウドやビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などの登場により、かつてないほどに通信ネットワークの重要性が増しています。われわれは「プログラム可能な世界」という強力なビジョンの下、次世代ネットワークの構築に注力し、IPでつながる世界における人間の可能性を広げていきたいと考えています。

──日本におけるビジネス展開についてお聞かせください。