料理レシピサイトとして高い知名度を誇るクックパッド。昨年末から、経営方針をめぐって創業者と経営陣が対立していたが、創業者による社長解任で事態は混迷。社員たちが「社長解任反対」の署名を集めているという。同社で今、何が起きているのか。(取材・文/ダイヤモンドQ編集部 野口達也)

クックパッドに何が起きているのか?
関係者が明かす社長交代の波紋

クックパッドの利用者は5755万人で、日本最大の料理レシピサイトだ。写真は同社スマホサイト

「クックパッドは、オーナーである佐野陽光取締役による独裁政治が進んでいる。何の説明もなしにドラスティックな人事が断行され、従業員はみんな不安がっている。このままでは、続々と従業員が退職し、顧客のためのサービスを維持することも難しくなるのではないか」

 あるクックパッドの従業員は、現在の同社の状況を、うつむきながらこう説明する。

 確かに、24日に発表された人事は異様だ。穐田誉輝(あきた・よしてる)社長を突然解任して、コンサル出身の岩田林平氏を社長に据えただけでなく、5人の執行役も事実上解任している。「ひどいことに引き継ぎもなかった。今後の会社の経営方針に関する説明もないため、外部との契約や受発注を決断していいかもわからず、社内は混乱に陥っている」というから、相当強引な人事だったのは間違いない。

 ネット利用者でクックパッドを知らない人はいないだろう。国内最大の料理レシピサイトで、利用者は5755万人もいる。そのクックパッドが、創業者と経営陣の対立に端を発して揺れ動いている。

 騒動が勃発したのは昨年11月。創業者であり、取締役でもあった佐野氏が突然、会社に対して新たな事業プランを掲げ、自らが社長に就任するという提案を行ったのだ。

 佐野氏の主張は“本業回帰”。株主提案の書面では、「基幹事業である(クックパッドの)会員事業や高い成長性が見込まれる海外事業に経営資源を割かず、(みんなのウェディングの買収など)料理から離れた事業に注力するなど中長期的な企業価値向上に不可欠な一貫した経営ビジョンに大きな歪みが出てきました」と現経営陣を非難している。