日本の理系人が変化してきた?

舛田 この国はたとえバブルが崩壊しても、社会環境や構造が劇的に変わるということなくここまで来たと思います。でも、それは国内だけで競争していたからで、今のように海外からいろいろなものが入ってきて、日本が開発したものが他国に特許を持っていかれてしまうことが山ほど出てくると、さすがにもう変わらないと難しいですよね。

川村 この対談シリーズでお会いしたドワンゴの川上量生さんが「一番いい勝ち方は不戦勝」という話をしていたのが印象的でした。なるべく敵がいないところを探して戦わないとだめなのに、日本人はよりによって一番敵が多いところに飛び込んでいって戦う癖がある。そもそもの勝ち目やそこに存在するルールを見つめる目が、国内でしか戦ってこなかった日本人は弱いのかもしれません。
舛田 理系の人たちがもしかしたら変わってきているのかなと思うのは、例えば日本だと、今まではスペックで勝負をしてきた。でも、今はもうスペックだけで勝負ができると思っていない。よく相談を受けるのは「どうやったら、体験に落とし込み、付加価値を持たせられるのか。そのために技術はどうあるべきか」ということだったりします。

川村 技術や商品やサービスをどうやって好きになってもらえるか、愛着を持ってもらえるか、定着をさせることができるのかってことですよね。どんな仕事でも、それがあって初めて、共感も感動もあるんだと思います。