小さな円を描けることは、脳がとても高度な働きをしているということです。

久保田 競
(Kisou Kubota)
1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』など著書多数。

 息を止めて、リズミカルに描くことも徐々に身についてきます。

 すでに幼児らしくない脳の働きができる分野があり、ときには大人顔負けのしぐさをしたり、言葉を使ったりして、驚かされることがあるはずです。

≪競博士のひと言≫
 手首を机につけて円を描くには、筆記用具を正しく持ち、手首の動きがきちんとできなくてはなりません。

 手首の動きは、手の回外(前腕を手の平が上を向くように回転させる)と回内(前腕を手の平が下を向くように回転させる)の運動です。これには、練習が必要です。

 手の運動野(4野)と手の運動前野(6野)が働いて、円がうまく描けるようになります。
 直線は円を描くより難しく、特にまっすぐな線を引くのは難しい。くり返し練習をしないと、できるようにはなりませんよ。