「構成比」を計算すれば
ひと目でわかる

 事業の損益構造を理解するために、1年間(月次決算なら1ヵ月間)の各項目の実績値を出してから、売上高を100としたときの構成比を計算してみましょう。商品ごと、拠点ごとの損益構造をつかめるので、今後どのような売り方で利益を出していくかを考えるスタート台になります。二つの例を示します。

損益計算書(PL)から<br />ビジネスの「儲けの構造」をつかむ

 図表1の例では、売上高の少ないC商品の損益構造がいちばんすぐれています。売上高を100とした場合の構成比を見ると、営業利益はA商品が6、B商品が13なのに対して、C商品は20です。つまり、C商品がもっとも効率よく利益を生みだしています。構造が劣っているA商品の販売にかける労力を減らし、C商品の販売を増やすべきでしょう。

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 図表2の例では、X店よりも売上高の少ないY店のほうが販売効率が高く、損益構造がすぐれています。構成比はかなり似ていますが、販管費のなかの直接費を見るとY店のほうが低く抑えられています。その違いが利益を生む構造をよくしているのです。今後、新店をオープンするなら、Y店の損益構造を目標にして予算を立てることです。

(本連載は毎週金曜日更新。次回は5月6日(金)公開予定です)