本をたくさん読めば読むほど、効果が上がるわけではありません
「本を読むことはいいことだ」と考える方は多いでしょう。しかし、「売れているから」「紹介されたから」「暇つぶし」という理由で、やみくもにたくさんの本を読んでいて意味があるのでしょうか。
仕事がハードなことで有名な、マッキンゼー&カンパニーで14年活躍し、現在は、ブレークスルーパートナーズでベンチャー経営支援と中堅・大企業の経営改革に取り組んでいる赤羽雄二氏は、多忙ななかでも、これまで1800冊以上の本を読んできたそうです。でも、そんな赤羽氏も最近、読みすぎるのも問題がある、と考えるようになったといいます。一体それはなぜなのか、その理由を聞きました。
1000冊以上読んでいる人は、
すでに費用対効果がきている
東京大学工学部を卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。1983年よりスタンフォード大学大学院に留学、機械工学修士、修士上級課程を修了。1986年、マッキンゼーに入社。1990年にはマッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、LGグループの世界的な躍進を支えた。2002年、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業。著書に『ゼロ秒思考』『速さは全てを解決する』(ダイヤモンド社)、『アクションリーディング 1日30分でも自分を変える"行動読書"』(SBクリエイティブ)などがある。
本好きな方は中学、高校時代から30代になるまでに多分800冊以上は本を読んでいるのではないかと思います。
13~29歳の17年に月4冊なら約800冊、月6冊なら約1200冊ですね。私自身を振り返ってみると、小学校高学年、中学、高校時代が月4冊、大学以降は月10冊以上を必達目標にしていたので、30代になるまでで1800冊くらいだと思います。
一方、最近はほとんど本を読まない人も非常に増えてきていて、30歳でも数十冊以下の方が多いようです。
私は、これはどちらもちょっとまずいのではないかと考えています。本を読みすぎていても私自身がそうですが、明らかに本に逃げていることがほとんどで、「あまり学ばない」「少なくとも行動にはほとんど何も移していない」という反省ですね。
一方、本を全然読まない人は、もちろん知識・教養の問題もありますし、読書を通じて人の気持ちを知る絶好の機会を得られないのではないでしょうか。
ということから、私は、30代になるまでに一つの目安として300冊、それ以降は1年×50冊程度読めればいいのではないかと考えています。そうすれば本を読まなさすぎて損をすることもなく、また本ばかり読んで行動に移す時間がないということもなくなります。