生まれたとき、または物心がつく頃にはインターネットが当たり前だった、というデジタルネイティブ世代が職場で増えてきました。そこでしばしば問題とされるのが、彼らのコミュニケーション能力の低さ。対面のコミュニケーションがうまく取れない若手社員が増加し、仕事に支障をきたしているとの話を私もよく耳にします。
しかし、デジタルネイティブであることだけが、本当にこういった問題を引き起こしている原因なのでしょうか。実際のところ、日本の職場にはそれ以上に若手社員のコミュニケーションの大きな障害となっている“ローカルルール”があるようです。今回は職場でのコミュニケーション能力をアップさせるために知っておきたい、“コミュニケーションのルール”について考えていきたいと思います。
デジタルネイティブ世代は
自他ともに認める“コミュ力不足”
「相手の年齢や所属・肩書にこだわらない」
「情報は無料と考える」
「拡散力の偉大さを理解している」
私たちの価値観をこのように大きく変化させたインターネット。このインターネットに子どもの頃から触れてきたデジタルネイティブ世代の多くが今年、新入社員となりました。現役で大学を卒業した年齢で考えると、彼らの多くは1993年生まれです。
1993年は郵政省がインターネットの商用利用を許可した年であり、翌1994年にはYahoo!がサービスを開始しました。つまり、日本でもインターネットの浸透が本格化しはじめたころから、現在のスマホ利用が当たり前になるまでの変遷とともに人生を歩んできた世代が社会人になったのです。
ただ、当然ながら数年前からデジタルネイティブに近い若手社員は職場に登場しています。この世代の登場は職場に衝撃を与えました。業務報告はメールで済ませる。ネットで自分が調べた情報で上司に口答えするなど、職場の対面コミュニケーションの常識をくつがえすような事態を引き起こしたからです。