ビジネスマンもスポーツ選手と似たような状況にあり、日々納期に追われたり、会議に走ったり、多忙な仕事生活を送っていると、どうしてもストレスを過剰に抱えてしまいます。そのような環境の中では交感神経が著しく活発になっており、副交感神経の働きが弱くなっているのです。

 前述の通り、高いパフォーマンスを維持するために重要なのは「交感神経と副交感神経の両方を高いレベルにする」ことです。「上司に怒られるかもしれない」「プレゼンで失敗したらどうしよう」など、強くストレスを感じながら仕事をしていると、否が応にも交感神経が優位になってしまいます。そんなとき、意識的に副交感神経を高め自律神経を整えれば、集中力が増し、仕事のパフォーマンスアップが期待できるでしょう。

 ところで、スポーツ選手が「他の選手の動きがスローになった」「ボールが止まって見える」と話しているのを、聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。このような極限の集中状態を「ゾーン」と呼び、一流のスポーツ選手は無意識のうちに入ってしまうことがあります。このときの自律神経のバランスは交感神経と副交感神経が1:1。まさに最高の状態になっていると言われています。

 もちろん、スポーツの場だけなく、仕事でも「ゾーンに入る」経験をすることができます。たとえば、仕事に熱中して雑音が気にならなくなったり、時間を忘れてしまったりすることも、「ゾーンに入る」という状態です。このような状態に持っていくためには、ストレスによって乱れてしまった自律神経のバランスを、日々意識的に整えることが重要です。

 このストレス社会の中、およそ9割の人の自律神経が崩れていると言われています。ビジネスの現場でも、最高のパフォーマンスを発揮するためにも、副交感神経を高めることが非常に有用だと言えます。

「ワンツー呼吸法」がおすすめ
朝はクリエイティブ、午後は単純作業を

 ここからは、簡単に自律神経が整えられる方法をご紹介します。

 まずは呼吸を整えることから始めましょう。同じ呼吸をすることでも、吐く時間が長ければ長いほどぞ、より効果的に副交感神経が作用するようになります。緊張したときに深呼吸すると心が落ち着くのは、血流がよくなり筋肉が弛緩して体がリラックスしているためです。