初期投資額143万円で
なぜできた?
今、普通に農業を始めると、初期費用で平均1000万円かかると言われています。
ビニールハウスの設置費やトラクターなど、それだけでも何百万円の世界です。
しかし、小規模農業で最初から加工、販売まで視野に入れると、そろえるものがまったく変わってきます。
起農当時(1999年)に最初に買ったのが、パソコンとプリンタです。
当初、漬物の袋に貼るラベルや原材料表示シールを印刷するために購入したのですが、これらが15万円。
次に購入したのが、漬物などを入れた袋の封をする脱気シーラー(15万円)、2坪の大型冷蔵庫(75万円)、小型の氷温冷蔵庫(中古で5万円)、最後に農業機械の管理機(乗用でない耕うん機の小型版)を10万円で購入しました(途中でさらに小型の管理機をヤフーオークションにて3万円で購入、今はこちらをメイン機械にしています)。
そして加工場は当初、母屋の車庫を利用。地域の保健所の方に教えてもらい、天井を張り、蛍光灯を設置して、廃業した料理教室の料理テーブル(テーブルの片方にガス台があり、反対側がシンクになっているもの)を設置して改造費が合計5万円。
これに漬物樽や重し、鍬(くわ)や鎌(かま)など農機具が15万円です。
これらで総額143万円。
農家としてではなく、何か起業すると考えてもかなり安くついたと思います。
これらは前職での貯金でまかなうことができました。
現在、パソコンやプリンタも安くて高性能なものも出ていますし、ネットショップやネットオークションを活用すれば同じようなものをそろえても、総額100万円でおつりがくるでしょう。
大規模の土俵に乗らずに、最初の投資額を控えて徐々に大きくしていくほうが日本の農業には向いているのでは?と思います。
農は本来、鍬(くわ)一本でできたのですから。