アクティビティの組み合わせがカギ

オンライン研修で成果を上げるために必要な“ひと工夫”とは? 有本均(ありもと・ひとし)
1956年、愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部入学後、大学1年からマクドナルドでアルバイトを始め、1979年、日本マクドナルド株式会社に入社。店長、スーパーバイザー、統括マネージャーを歴任後、マクドナルドの教育責任者である「ハンバーガー大学」の学長に就任。2003年、株式会社ファーストリテイリングの柳井正会長(当時)に招かれ、ユニクロの教育責任者である「ユニクロ大学」部長に就任。その後、株式会社バーガーキング・ジャパン代表取締役など、外食・サービス業の代表、役員を歴任する。2012年、株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンを設立。21年より会長。取引企業数は3500社以上、総受講者数はのべ88万人に達する。

 オンライン研修は画面越しで受講するため、講師の熱量が伝わりにくく、あいづちや笑顔などの非言語的コミュニケーションには限界があります。接客などの実践を伴うものでは、対面のほうが圧倒的に迫力があるのは当然でしょう。だからこそ、オンライン研修で成果を上げるためには、対面での研修をオンラインに置き換えるという発想ではなく、オンラインならではの“ひと工夫”を加える必要があるのです。

 たとえば、受講者はただ聞いているだけでは眠くなってしまいます。オンライン研修ではアクティビティがカギとなります。対面研修をオンライン用に再編成し、アクティビティを追加していくのです。たとえば、30分のレクチャーを3分割し、そのつなぎにグループワークを入れたり、質問に対する回答をチャットで書き込んでもらうなどのアクティビティを組み合わせていきます。

 受講者に動画を見てもらう場合も、10分などの短時間で構成することが重要です。

 接客や名刺交換などの実践を伴う研修をオンラインで行う場合は、まず、受講者に研修の目的を明確に示すようにしましょう。「目的は基本的な動作を習得すること」と受講生が意識することができれば、画面越しのペアワークでも十分に学べるはずです。また、新入社員研修などでは、オンラインと対面研修を組み合わせるケースもあります。社内の会議室などに新入社員を集め、講師のレクチャーはオンラインで、グループワークは対面で行っています。

 アフターコロナ時代に、人手不足が再び深刻化すると予想されています。そのため、多くのサービス産業で、教育に力を入れるようになってきました。そのような背景があり、ホスピタリティ&グローイング・ジャパンでも、新たなオンライン研修、「グローイング・アカデミー・ライブプラス」を立ち上げました。受講者はのべで40万人を超えました。

 この研修の良さは、他社あるいは他の職場の人と一緒に学ぶことにあります。グループワークなどで話をするなかで、気づきが得られます。それは、モチベーションのアップや自らの行動変容、成長実感にもつながるでしょう。ひいては、離職防止にもなると考えられます。

 見方を変えれば、サービス業にとって喫緊の課題である離職を防ぐためにも、教育に力を入れる必要があるのではないでしょうか。