前回(「韓国・文大統領の『自分が全て正しい』体質がもたらす反日政策」)も書いたが、国連安保理の対北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは近く提出する報告書に、「韓国の国連制裁違反の事実が明記されるとみられる」と日本の共同通信が報じている。文政権の北朝鮮に対する制裁破りは、これまでもたびたび行われていたとのうわさが絶えない。

経済は悪化の一途
支持率低下に向かう可能性大

 中央日報によれば、韓国政府が発表する景気指標は、毎月のように歴代最悪を更新しているようだ。現在と今後の景気を示す「一致・先行指数循環変動値」は、歴代最長で下落傾向を示している。

 このほか18年の「年間産業活動動向」「設備投資」など主要な指標も下落を続けており、中小零細企業は最低賃金の上昇を賄いきれずに雇用を縮小したり、倒産したりしている。それでも文政権は、所得主導の経済成長を目指す基本路線を変えようとしていない。

 政府支出の拡大で景気の悪化を抑えているが、実体経済の低迷は避けようがない。サムスンの18年10~12月期の営業利益は29%減であり、現代自動車に至っては第1次下請けのいくつかが廃業に追い込まれ、自動車産業の見通しを暗くしている。

 これまで、文大統領に対する支持率は経済の停滞で下落が続いてきたが、今後、スキャンダも相まってさらに下落する可能性が高い。そのとき、文政権がどう体制を立て直すのか、慎重に見定めていく必要がある。日本の対韓政策も、それによって変わってくるかもしれない。

(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)