旧友
村上卓郎
年末差し迫った「クラブかおり」。来客を知らせる鐘の音が響き、一人の長身男性が入ってきた。「ここは日本人向けクラブ。白人お断り」と咎める隆嗣…
2011.6.9
〈第3回〉城山三郎経済小説大賞は、異例の2作品が大賞受賞。惜しくも選から漏れたものの、大賞作に劣らぬ魅力があると各選考委員から絶賛された隠れた名作があった。
その作品とは『認命(レンミン)――さだめ』。
バブル期の日本になじめず、中国に渡った青年は、なぜ中国に残ってビジネスを続けるのか――。共産党の支配下で急成長する中国経済をリアルに描いた話題の経済小説が『運命回廊』と改題して、ついにWEBで連載開始!
村上卓郎
年末差し迫った「クラブかおり」。来客を知らせる鐘の音が響き、一人の長身男性が入ってきた。「ここは日本人向けクラブ。白人お断り」と咎める隆嗣…
2011.6.9
村上卓郎
天安門事件以降、姿を消した立芳を探すため、隆嗣は再び上海へ渡った。しかし、大学でも故郷の杭州でも何も情報は得られなかった。諦め切れない隆嗣…
2011.6.8
村上卓郎
学生の隆嗣に通訳をお願いした岩本だったが、内心では「今までの交渉が御破算になるのでは」とびくびくしていた。「結果は明日出ますよ」という隆嗣…
2011.6.7
村上卓郎
中国国営企業との交渉に難航していた岩村栄三は、気分転換のため散歩に出たところ、若い警官に問い詰められた。中国語もわからず、なす術もない岩本…
2011.6.6
村上卓郎
幸一は、慶子の父に挨拶することになった。慶子の父、川崎洋介は川崎産業の創業社長。洋介に値踏みされる幸一だったが、ある一言で洋介を怒らせてし…
2011.6.3
村上卓郎
徐州市にある休眠工場の視察に同行した幸一は、今回の視察が三栄木材とはまったく関係がないことを知らされる。なぜ自分を誘ったのか、隆嗣に問いた…
2011.6.2
村上卓郎
民主化運動時代の旧友、李傑は、共産党委員会の常務委員になっていた。立芳が消えた1989年6月について問い詰める隆嗣。李傑は「君は、何も知ら…
2011.6.1
村上卓郎
南京林業大学の高英麗教授に誘われて参加した木材フォーラムで、隆嗣は留学時代の旧友、李傑と再会した。隆嗣と李傑の再会を知らされた「クラブかお…
2011.5.31
村上卓郎
日本の大学で4年次に復学して就職活動をする隆嗣のために、ジェイスンたちが送別会を開いてくれた。翌日、空港まで見送りに来た立芳は、隆嗣との別…
2011.5.30
村上卓郎
値上げまでの猶予期間を半年は欲しい三栄木材だったが、清義は4ヶ月分までと譲らない。隆嗣は突然、昔話を始めた。苦労話に花が咲く二人だが、「ア…
2011.5.27
村上卓郎
ロシアの輸出関税引き上げを受け、大連瑞豊木業有限公司は三栄木材に対して突如1割以上の値上を要求してきた。なんとか値上げを押さえたい岩本社長…
2011.5.26
村上卓郎
中秋節を前に、レストランでは「月餅」をサービスで配っていた。「一人じゃ食べきれないわ。あなたも手伝って」慶子は幸一を自分の家へ誘った。慶子…
2011.5.25
村上卓郎
幸一と慶子は電話とメールで連絡を取り合うようになり、幸一は中国ビジネスのよき相談相手になっていた。大連視察のお礼として幸一を食事に誘った慶…
2011.5.24
村上卓郎
民主化運動学生グループの集会に参加するようになった隆嗣は、各大学のリーダーたちとも知り合うようになる。民主化についての議論が白熱する中、「…
2011.5.21
村上卓郎
隆嗣の経営する「クラブかおり」に案内される幸一と慶子。店に向かう途中、仕事にあぶれた10代半ばの姉弟から「帰るお金もない」と声をかけられる…
2011.5.20
村上卓郎
隆嗣が岩本会長に接する態度は、岩本社長に対するものとは明らかに違うものだった。岩本会長もまた隆嗣に対して、幸一には見せない親しさを示した。…
2011.5.19
村上卓郎
丸太工場で出会った女性、川崎慶子から、幸一と岩本会長はお詫びのしるしに夕食に誘われる。「川崎装飾貿易有限公司総経理」の名刺を差し出した慶子…
2011.5.18
村上卓郎
三栄木材の岩本会長が大連にやってきた。出張目的は、知り合いの業者のために、桐のサプライヤーを見つけるというもの。幸一とともに会長自らが検品…
2011.5.17
村上卓郎
隆嗣と立芳、すでに二人は結ばれていた。留学生仲間の応援と協力の下、互いの心を育み、そしてある決心をした。それは、立芳の里帰りに隆嗣が同行す…
2011.5.16
村上卓郎
隆嗣の経営するナイトクラブ「かおり」で、幸一はクラブのママ、迎春を紹介される。岩本社長にすすめられ仕方なくカラオケのマイクを握った幸一に対…
2011.5.13