「川」の付く進学校が多い旧第6学区
旧第6学区を構成する墨田区、江東区、葛飾区、江戸川区の4つの区には、中川に接しているという共通点がある。東には江戸川、西には墨田川と、いずれも川に挟まれており、海抜ゼロメートル地帯もエリア内には広がっている。
そんなこともあってか、校名に「川」の字が付く進学校が多い。偏差値順に見ると、小松川(旧制7高女)、墨田川(旧制7中)、江戸川(旧制16中)、深川(旧制第一東京市立高等女学校)で、いずれも戦前生まれの伝統校だ。
中でも小松川は、2018年から指定された進学指導特別推進校でもあり、このエリアのトップ校として頑張っている。印象的な校舎中央の時計台、学校脇にある校友会館「松葉会館」など、伝統校らしさがあふれている。ボート部はインターハイの常連で、国体で優勝する選手もいるなど、全国レベルの強豪である。同じ区内で荒川を挟んだ対岸にあるのが江戸川(旧制16中)。こちらは進学指導推進校で、全国レベルのハンドボール部や弓道部がある。
小松川とは僅差で偏差値的に少し上にいる両国(旧制3中)は作家・芥川龍之介、石田衣良両氏の母校。校訓「自律自修」を掲げこの旧学区の中では一番の進学校として、東大合格者も輩出していた。2006年より中学校を付設して中高一貫化したが、高校での志願者減もあり、2022年から中学の募集のみとなる。
両国の穴を埋めるべく、小松川の後を追うのが城東だ。豊洲・東雲地区にタワーマンションが林立している江東区には、これまであまりハイレベルの都立はなかったが、区内一番の進学校として奮闘している。学校群では両国、小松川と共に61群 だった墨田川(旧制7中)は長らく低迷していたが、城東と同様、こちらは墨田区のトップ校として両国の穴を埋める二番手校になってきた。
葛飾区役所に近い伝統校の南葛飾(旧制16高女)は、偏差値的には底辺に近いが、新校舎と新制服効果で引き続き人気がある。「キャプテン翼」の漫画家・高橋陽一氏の母校でもあり、正門横には「翼くん」の像もある。なお、江北同様、この学校も定時制課程を持っている。
次ページには旧第5・第6学区の都立進学校を掲載してある。10年間の変化については偏差値で比較していただきたい。総合得点が全体的に高くなっているのは、この間にマークシートが導入され、得点しやすくなったことが影響している。