「世界一の総合楽器メーカー」として知られるヤマハ。現在、その先頭に立っているのが、2013年に社長に就任した中田卓也氏だ。中田氏は就任早々、凝り固まった事業部制の壁を壊す一方、技術・アイデア・人脈などを融合させることで、眠れる宝を掘り起こすことに成功。ヤマハの可能性を引き出し、顧客体験を追求した新たなイノベーションを実現しつつある。

よくも悪くも「集団主義的」な特徴こそ、日本人、日本企業の基本特性である。そう信じられてきたし、いまもそう考えられている。しかし、『「集団主義」という錯覚』(新曜社)を著した認知心理学者の高野陽太郎氏は、こうした「日本人イコール集団主義」という定説を真っ向から否定。日本人イコール集団主義という定説は事実ではないと主張している。高野氏の知見に触れることで、誰もが持っている思考の悪癖を認識し、その弊害や危うさを理解できるはずである。

2014年、サントリーホールディングスは、アメリカの大手スピリッツメーカー、ビーム(現ビームサントリー)を買収し、跳躍を果たした。この小が大を呑む買収のPMI(買収後の経営統合)と、新たな成長軌道を描くという大仕事を任されたのが、新浪剛史氏である。社長就任から丸4年を迎えた新浪氏に、アメリカ・ビームとの統合でも発揮された現場重視のリーダーシップ、価値観に基づく経営統合と人づくり、そして自身の経営哲学について聞いた。

AIによる「自動化」が加速している。情報工学の第一人者である喜連川優氏は、自動化を推進するだけでなく、現時点におけるAIの限界、想定外への対処などについてよくよく考える必要がある、と説く。そして、まだ未熟なAIをもっと賢くする必要があり、そのためにはデジタルデータという燃料をもっと与えなければならず、それが、自動化はもとより、デジタル・トランスフォーメーション(DX)やオープンな共創の必要条件だと言う。

福澤桃介機略縦横のリーダー
名古屋電燈のトップとして、桃介は木曽川の可能性に目をつけ、同流域に現存する33の発電所のうち7つの建設を企画し実現させた。文字通り「水力王」である。その生涯は、深山に生じた一滴が斜面を流れ下るうちに成長し、最後は海に注ぐ大河のように、ダイナミックであった。

経営哲学「京セラフィロソフィ」と独自の「アメーバ経営」をベースに事業を拡大し、一度も赤字に転落したことがない優良企業・京セラ。2017年に社長に就任した谷本秀夫氏は、デジタル時代のグローバル競争に勝ち残るため、AIやロボティクスの本格導入による「生産性倍増」やオープンな「協働開発」などスピーディに施策を打ち出し、自社の枠に囚われない“新生アメーバ経営”を展開しつつある。現代の〝経営の神様〟とも称される稲盛和夫氏が創業した会社が、新たな存在価値をどう見出し、社内外にどのような変化を起こしていきたいのか。谷本氏は穏やかな口調で、簡潔ながらも明瞭に、自信を持って語ってくれた。

経営哲学「京セラフィロソフィ」と独自の「アメーバ経営」をベースに事業を拡大し、一度も赤字に転落したことがない優良企業・京セラ。2017年に社長に就任した谷本秀夫氏は、デジタル時代のグローバル競争に勝ち残るため、AIやロボティクスの本格導入による「生産性倍増」やオープンな「協働開発」などスピーディに施策を打ち出し、自社の枠に囚われない“新生アメーバ経営”を展開しつつある。現代の〝経営の神様〟とも称される稲盛和夫氏が創業した会社が、新たな存在価値をどう見出し、社内外にどのような変化を起こしていきたいのか。谷本氏は穏やかな口調で、簡潔ながらも明瞭に、自信を持って語ってくれた。

さまざまな業界で導入が進むロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)。日本企業の現場にいまだ多く残る、複雑・少量・多様な手作業の自動化を進める「日本型RPA」が注目を集めている。日本型RPAは日本企業をどのように変えるのだろうか。

賢明なリーダーは RPAをDXに発展させる
金融業界を皮切りに、小売業や製造業など幅広い業界で「ロボティック・プロセス・オートメーション」(RPA)の導入が広がっている。ただし、RPAをコストや労働時間を削減するツールとして導入すると、そのベネフィットは限定的なものに終わってしまう。業務プロセス改革の端緒とし、デジタル・トランスフォーメーション(DX)へと発展させて、初めて大きな効果が得られる。

先端テクノロジーによる常時監査でグローバル経営管理の高度化を目指す
AIがリアルタイムですべての取引に目を光らせる常時監査が、現実のものとなりつつある。海外子会社を舞台とする不正の抑止にもつながると期待されるが、そのためにはグループ会社間で業務プロセスやシステムを統一する必要があり、買収先の自主性を尊重するという美名の下に統合を怠ってきた日本企業にとって、簡単なことではない。先端テクノロジーを活用した監査は、経営にどのような価値をもたらすのだろうか。

大企業の使命日本のDXを牽引し、次なる成長軌道を描く
デジタル・トランスフォーメーション(DX)を、IT化に留めることなく、ビジネスモデルの再構築、ビジネスプロセスの全体最適化、新規事業開発やイノベーションといった、非連続的な変革へと発展させる。また、自前主義や縦割りなど「閉ざされた」経営から抜け出し、さまざまなプレーヤーと共創し、新しい価値や競争優位を創出していく。いま日本企業には、こうした「開かれた」経営が求められている。そのためにはDXが必要十分条件である。「大企業こそDXの牽引役となるべき」と唱える東京大学大学院教授の森川博之氏と、KDDIでDXを推進してきたソリューション事業企画本部長の藤井彰人氏が、日本のDX論について意見を交わす。

安藤百福偉大なる発明家であり、起業家であり、経営者であった
日清食品の創業者、安藤百福は2007年1月5日に亡くなった。96歳だった。その4日後、『ニューヨークタイムズ』紙は、「ミスター・ヌードルに感謝」と題する社説を掲載し、次のような文章で結んだ。「インスタントラーメンの発明によって、安藤は人類の進歩の殿堂にその名を永遠に残すことになった。人に魚を釣る方法を教えれば、その人は一生食べていける。人にラーメンを与えれば、何も教える必要はない」これは、安藤と彼の発明に対する最大級の賛辞を表したものにほかならない。彼はまさしく偉大な発明家だった。しかしそれだけではない。偉大な産業人であり、また起業家、経営者でもあった。

グーグルがチームの生産性要因を統計学的に明らかにした「プロジェクト・アリストテレス」をはじめ、現在「ピープルアナリティクス」と呼ばれる「人事を科学する」試みが広がっている。このピープルアナリティクスは、これまでの常識や定説、属人的な経験則に頼った人材マネジメントの誤りや弊害を定量的に明らかにし、自社にふさわしい人事制度や能力開発プログラムを導き出すというもの。労働経済学の専門家である大湾秀雄氏は、企業の人事担当者たちと一緒にピープルアナリティクスを実践する「人事情報活用研究会」を主宰している。本インタビューでは、大湾氏らの研究・分析の成果から、これからの人事政策、人づくりのあり方、そしてピープルアナリティクスの活用法について考える。

日本経済の復活はDXなくしては始まらない
オックスフォード大学の研究者による「10~20年以内に、労働者の大半がAIやロボットに職を奪われる」という衝撃的な予測と並行して、世界的なIT業界のビジョナリーたちも「デジタル・オア・ダイ──。デジタル・トランスフォーメーション(DX)に取り組まなければ衰退は免れない」というメッセージを投げかける。日本の場合、雇用や就労形態が他国と大きく異なるため、これら2つの課題には適度なバランスが求められるが、のんびりしてもいられない。そこで、日本と産業構造が似ているだけでなく、日本以上に労働者の権利に敏感なドイツにおいてさまざまな経験を重ねてきた、デジタル分野のコンサルティングのプロであるクリスチャン・ラスト氏に、DXに関する知見と日本企業へのアドバイスを聞いた。

デジタル時代のM&A戦略
テクノロジーの進化は顧客を変え、企業を変え、産業そのものを再定義する破壊力を持つ。その破壊力は、M&Aの領域においても、その戦略や手法に大きく影響を及ぼし始めている。テクノロジーによって価値を高めた企業のM&Aには、従来のM&Aとは異なる機会とリスクがある。最新テクノロジーを活用した独自ツールを組み合わせ、海外・業種間M&Aを中心にアドバイザリー業務を展開するKPMG FASのポール・フォード氏と渡辺麻紀子氏に話を聞いた。

高まる地政学的リスクの下で求められる税務マネジメント
トランプ政権下のアメリカに端を発した自国第一主義や保護貿易主義の台頭、米中貿易摩擦に代表される大国間の覇権争い、Brexitといった既存の政治的枠組みの見直しなど、歴史的な変革期に見られる混乱が世界経済を襲っている。地政学的リスクの高まりを受け、企業は持続可能なビジネスのあり方を模索しているが、忘れてはならないのが税務マネジメントである。国際税務や関税などの税制が変化する中で、企業価値の源泉たる利益の最大化には税務の最適化が不可欠だ。

イノベーションをマネジメントする
日本がイノベーション後進国といわれて久しい。しかし近年、21世紀にふさわしいイノベーションを創出すべく、多くの企業で新たな試みが始まっている。それは、「オープンイノベーション」と「デジタル・トランスフォーメーション」だ。イノベーションそのものが“手段の目的化”とならないよう、これらにどう向き合い、マネジメントするかが問われている。みずから先頭に立ち、未来の課題解決のためのイノベーションに取り組む2人に、その要諦を聞いた。

AIが企業経営にもたらすインパクト
AIによる経営の高度化や新ビジネスに関する記事をよく目にするが、投資額を見る限り、本気で取り組んでいる日本企業はそう多くはない。よそがやっているからうちも何もしないわけにはいかない──そんな本音も透けて見える。しかし、一時のブームととらえてやり過ごすには、この革新的技術の波はあまりにも高くて激しい。安易に乗れば地面に強く打ち付けられるし、タイミングをつかめずに見送ってばかりいれば先駆企業の後ろ姿さえ見えなくなってしまう。すでに到来したAI時代は、企業経営にどんなインパクトを与えるのだろうか。

成長の試練に直面する経営者が克服すべき課題
デジタル変革やデータ経済への対応の遅れ、ガバナンス不全を露呈する不祥事の続発、あるいは世界的に要求が高まる社会的課題解決への貢献など、日本企業は成長への試練ともいうべきさまざまな課題に直面している。そうした課題の克服に向けて、経営者はいまどう判断し、行動すべきなのか。KPMGジャパンの2人のトップがその指針を提示する。

『ダイヤモンドクォータリー』創刊2周年を迎え、2018年11月1日、東京ミッドタウン日比谷にて、CXOや執行役員を対象に、「人づくり」をメインテーマとしたカンファレンスが開催された。いまなお世界のベストプラクティスとされる日本企業の人間重視の経営。事業環境が激変する中、日本を代表する大企業はどのような「人づくり」によって時代の荒波に立ち向かい、さらなる成長を遂げようとしているのか。現在進行形のさまざまな施策が披露され、21世紀の人づくりについて知見を深める機会となった。

