創業111年目の味の素が大きく生まれ変わろうとしている。アミノ酸という独自のコア技術を持つ自社の原点に立ち返り、人類の「食と健康の課題解決」という壮大な〝パーパス〟に挑戦しようというものだ。コロナショックという緊急事態の中で動き出したパーパスドリブン企業に生まれ変わる改革への決意を、西井社長に聞いた。

日本企業は、グローバル化を果たしたといわれる。たしかに製品はグローバル化したが、経営と人材のグローバル化はいまだ道半ばである。ダイバーシティは、業績のみならず、組織のイノベーション能力、リスク対応力、レジリエンス(再起力)との相関性が高く、資本市場の注目度は年々高くなっている。小林氏は、この「資本市場からの 圧力」なくして日本企業は変われないと指摘する。

データドリブン経営の実現へ。CFOが担うDX時代の価値創出
Cスイート(最高○○責任者)の中でも、CFOほど守備範囲が拡大した存在はない。従来の経理財務業務は自動化が進む一方、CEOのパートナーとして事業に積極的に関与し、リスクを管理する。加えて、昨今ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)の牽引役まで求められる。そんな悩み多きCFOが切実に必要としているのが、意思決定をサポートする情報だ。 ERPがその一助となるのは確かだが、第三者の目を通した経営情報という点では、監査法人によるデジタル監査に期待が集まる。事業活動に伴うさまざまなデータを内と外とで共有・活用することで、新たな価値は生まれるのか。テクノロジーの進化が企業と監査法人の関係を再定義する可能性について、2人のリーダーに聞いた。

ダイバーシティ・アンド・インクルージョン(多様性と包摂)は近年、イノベーション経営や持続的成長戦略の文脈で語られることが増えている。その先進企業であるアドビの女性リーダーに、推進の要諦は何かを聞いた。

障がい者に働く場を用意し、彼らの社会参加を大きく後押しした産業人というと、古くは渋澤栄一であり、戦後では、「オムロン太陽の家」を創立したオムロン創業者の立石一真、これに共鳴したソニー創業者の井深大らが知られているが、もう一人、忘れてならない人物がいる。宅急便という画期的なサービスを発明した小倉昌男である。彼は、善意と優しさで運営されていた障がい者が働く職場に「経営」を導入し、彼らに正当な報酬といっそうの働きがい、そして何より「働く喜び」をもたらした。本稿では、沼上幹著『小倉昌男』(PHP研究所)「第1部 第Ⅵ章 長いお別れ|5 新たな課題への挑戦:ヤマト福祉財団」をインタビュー形式に翻案し、小倉昌男のもう一つのイノベーションのみならず、産業人の社会的使命について、あらためて考察する。

スマートフォンなどのデバイスには同社の電子部品が欠かせないといわれる村田製作所。極めて模倣困難なビジネスモデルを武器に、アップルやサムスンなどのリードユーザーを相手に自社製品の価値を認めさせ、「世界スピードのものづくり」を担っている。そんな村田製作所も20年前には“大企業病”という深刻な病に陥っていた時期があった。その危機をどう乗り越え、会社を生まれ変わらせたのか。

スマートフォンなどのデバイスには同社の電子部品が欠かせないといわれる村田製作所。極めて模倣困難なビジネスモデルを武器に、アップルやサムスンなどのリードユーザーを相手に自社製品の価値を認めさせ、「世界スピードのものづくり」を担っている。そんな村田製作所も20年前には“大企業病”という深刻な病に陥っていた時期があった。その危機をどう乗り越え、会社を生まれ変わらせたのか。

グローバルのユニコーン企業と協働・共創する「ジャパンプラットフォーム」が目指す世界
大企業とスタートアップとの協業やオープンイノベーションは、もはやマストであり、しかも新たに身につけなければならない組織能力である。しかし、日本では成功例が少ない。ウイン・ウインの関係がうまく築けない、同床異夢のまま進んでいく、スタートアップを対等なパートナーとして扱わない(ついつい下請け扱いしてしまう)、それゆえ自社のコア事業やコア技術に引き寄せてしまうなど、古くて新しい課題である「パートナリング(partnering)能力」が欠けているからだ。こうした現状を鑑み、新規事業開発やイノベーションのパートナーシップを徹底的に支援するプロジェクトが立ち上がった。日系コンサルティング会社のアビームコンサルティングは、シンガポールの政府系ベンチャーキャピタル(VC)、バーテックス・ベンチャー・ホールディングスのVCファンドに出資し、日本を超えてさまざまな国のスタートアップとの共創空間「ジャパンコンソーシアム」を設立した。バーテックス会長のテオ・ミン・キアン氏、同ファンドのゲートウェイとして日系投資家を束ねるリサ・パートナーズのシンガポール現地法人取締役会長のチュア・テック・ヒム氏、アビームコンサルティング執行役員の宮丸正人氏のキーパーソン3人に、彼らが組成したベンチャーファンドとジャパンコンソーシアムのあらまし、そしてスタートアップとの協業やオープンイノベーションの成功要因などについて聞く。

不正の検知から、予測と防止へ。ここまで来たAI監査の実力
組織が誕生したその瞬間から人類を悩ませてきた不正問題は、新しいステージに入った。事業のグローバル化や大規模化に伴い、より巧妙で大胆な不正行為が、いまこの瞬間も組織を蝕んでいるおそれがある。進化する脅威に立ち向かうためには、革新的なテクノロジーを活用したダイナミックなアプローチが欠かせない。連載第2回となる今回は、AI監査による不正検知と防止の最前線を追う。

人財サービス会社・アデコの特例子会社、アデコビジネスサポートで働く障がい者はおよそ160人。そのうちの80人が、求職者のヒアリングや企業とのマッチングや営業サポート業務といった、アデコのコア業務に携わっている。障がい者が担えるのは単純作業を主体としたバックオフィス業務だけである。そんな先入観を覆す取り組みを進める意図とは何なのだろうか。そして、その成果とは──。アデコの代表取締役社長である川崎健一郎氏に話を聞いた。

ビジネスジャーゴン、たとえば流行り言葉や英略語などに惑わされてはいけない──。これまでもずっといわれてきたことだが、こうした悪弊から逃れるには、やはり思考様式そのものを改めるしかない。一橋大学の沼上教授が、ビジネスリーダーに求められる深い思考をもたらす方法、多くの人たちに見られる思考の癖やその問題点について問い直す。

ビジネスジャーゴン、たとえば流行り言葉や英略語などに惑わされてはいけない──。これまでもずっといわれてきたことだが、こうした悪弊から逃れるには、やはり思考様式そのものを改めるしかない。一橋大学の沼上教授が、ビジネスリーダーに求められる深い思考をもたらす方法、多くの人たちに見られる思考の癖やその問題点について問い直す。

2006年に東証1部に株式を上場してプライベートカンパニーから進化を遂げた出光興産はいま、国内の石油需要が10年後には3割減、20年後には半減という事業環境の激変に直面している。2019年4月にようやく実現した昭和シェルとの経営統合によるシナジーを発揮しながら、出光は事業環境の激変にどう対峙していくのか。木藤社長に打ち手を聞いた。

2006年に東証1部に株式を上場してプライベートカンパニーから進化を遂げた出光興産はいま、国内の石油需要が10年後には3割減、20年後には半減という事業環境の激変に直面している。2019年4月にようやく実現した昭和シェルとの経営統合によるシナジーを発揮しながら、出光は事業環境の激変にどう対峙していくのか。木藤社長に打ち手を聞いた。

2020年、創業110周年を迎える日立製作所。2021年までの中期経営計画では社会イノベーション事業でグローバルリーダーになることを掲げ、日立の改革はいまなお続いている。現在、小国にも匹敵する30万人という大組織のチェンジリーダーである東原氏は、巨大グローバル組織を自律分散型に変えようと、世界中の現場を奔走し、「共感」や「利他」など意味深長な語彙とメッセージを発信し、組織にゆらぎを与え続けている。

2020年、創業110周年を迎える日立製作所。2021年までの中期経営計画では社会イノベーション事業でグローバルリーダーになることを掲げ、日立の改革はいまなお続いている。現在、小国にも匹敵する30万人という大組織のチェンジリーダーである東原氏は、巨大グローバル組織を自律分散型に変えようと、世界中の現場を奔走し、「共感」や「利他」など意味深長な語彙とメッセージを発信し、組織にゆらぎを与え続けている。

障がいを持つ人たちは、持たない人たちによって守られ、支援されるべきであるという。それが常識であり、社会通念であり、むろん否定されるものでもない。スイスに生まれフランスで生きたカナダ人哲学者のジャン・バニエは、こうした考え方を昇華させ、むしろ障がいを持つ人たちを社会の中心に据えることを提唱する。そして彼らを理解・尊重し、友情を交わすことで、人々は「本当の人間」へと回復できると言う。それは、バニエ自身の実体験の中で育まれ、たどり着いた「実践知」に他ならない。大阪大学の堂目卓生氏は、こうしたバニエの思想こそ、「持続可能な共生社会」を実現する上で不可欠であると訴える。

インド・インパクト2.0
インドは、次なる成長を牽引するエンジンであり、ブースターである。アルン・クマール氏は、かつてはタタ財閥で働き、その後渡米し、シリコンバレーで起業家やエンジェルとして活躍した人物で、いまはKPMGインドの会長兼CEOを務めている。クマール氏に、インドの見方、付き合い方、そして日印パートナーシップの未来について聞く。

ガバナンス改革は資本コスト経営から始まる
打ち寄せるコーポレートガバナンス改革の波は、いっこうに凪ぐ気配はなく、企業の「改革疲れ」が懸念される。お仕着せの改革に振り回されないためには、自社にとって最適なガバナンスとは何か、いかに中長期的な成長を実現していくのかを、あらためて問い直す必要がある。その起点となるのが、古くて新しい課題の一つ、「資本コスト」である。

AIとブロックチェーンの「融合」が切り開く経営と監査の新たな地平
DXはいまや現実のものとなり、最先端のデジタルテクノロジーを取り入れた新たなビジネスモデルが数多く生み出されている。なかでも、ビッグデータ時代のコアテクノロジーであるAIとブロックチェーンが組み合わされることでビジネスも生活も大きく変貌するとされ、監査もその例外ではない。

