自律型人財の育成~人づくりのための基礎づくり
『ダイヤモンドクォータリー』創刊2周年を迎え、2018年11月1日、東京ミッドタウン日比谷にて、CXOや執行役員を対象に、「人づくり」をメインテーマとしたカンファレンスが開催された。いまなお世界のベストプラクティスとされる日本企業の人間重視の経営。事業環境が激変する中、日本を代表する大企業はどのような「人づくり」によって時代の荒波に立ち向かい、さらなる成長を遂げようとしているのか。現在進行形のさまざまな施策が披露され、21世紀の人づくりについて知見を深める機会となった。

人材育成のためのデータ活用
『ダイヤモンドクォータリー』創刊2周年を迎え、2018年11月1日、東京ミッドタウン日比谷にて、CXOや執行役員を対象に、「人づくり」をメインテーマとしたカンファレンスが開催された。いまなお世界のベストプラクティスとされる日本企業の人間重視の経営。事業環境が激変する中、日本を代表する大企業はどのような「人づくり」によって時代の荒波に立ち向かい、さらなる成長を遂げようとしているのか。現在進行形のさまざまな施策が披露され、21世紀の人づくりについて知見を深める機会となった。

経営のゲームチェンジと「チーム経営2.0」の時代
『ダイヤモンドクォータリー』創刊2周年を迎え、2018年11月1日、東京ミッドタウン日比谷にて、CXOや執行役員を対象に、「人づくり」をメインテーマとしたカンファレンスが開催された。いまなお世界のベストプラクティスとされる日本企業の人間重視の経営。事業環境が激変する中、日本を代表する大企業はどのような「人づくり」によって時代の荒波に立ち向かい、さらなる成長を遂げようとしているのか。現在進行形のさまざまな施策が披露され、21世紀の人づくりについて知見を深める機会となった。

日立の事業変革とグローバル人材戦略
『ダイヤモンドクォータリー』創刊2周年を迎え、2018年11月1日、東京ミッドタウン日比谷にて、CXOや執行役員を対象に、「人づくり」をメインテーマとしたカンファレンスが開催された。いまなお世界のベストプラクティスとされる日本企業の人間重視の経営。事業環境が激変する中、日本を代表する大企業はどのような「人づくり」によって時代の荒波に立ち向かい、さらなる成長を遂げようとしているのか。現在進行形のさまざまな施策が披露され、21世紀の人づくりについて知見を深める機会となった。

オープンイノベーションで日本を「起業家社会」に転換する
2018年9月、KDDIの専門組織、高度な専門性を有するパートナー企業、そしてお客さま企業が新規事業の共創に取り組む「KDDI DIGITAL GATE」がオープンした。KDDIには、オープンイノベーションの場を提供し、スタートアップを支援する「KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)」がある。これら2つのイノベーション加速装置が“結合”することで、スタートアップと大企業がオープンに共創する好循環システムが生み出された。

エコシステム形成による価値創造
デジタル化社会の到来が、競争相手と競争のルールを一変させようとしている。こうしたディスラプションの時代を生き抜くカギとなるのは、エコシステムの形成を通じた新たな価値創造である。では、そのエコシステム形成の戦略はどうあるべきか。戦略コンサルティング、EYパルテノン(*)の中川勝彦氏に聞いた。

日本のイノベーション能力低下が著しい。従来型のビジネスモデル起点の発想から、生活者視点に根差したライフモデル起点の事業構想への転換が、新たなビジネス創造性を喚起すると嶋本達嗣氏は説く。

「監査の質」向上がもたらすマネジメントへのインパクト
会計不正が長く見過ごされていたケースが相次いで発覚し、関係した監査法人に批判が集中した。資本市場の信頼性を根底から揺るがしかねない事態に、金融庁をはじめとする関係当局は、不正リスクに着眼した監査の実施や監査プロセスの透明化など、監査品質の向上に乗り出した。しかし、より大きな視点で見れば、問われているのは企業の財務情報の信頼性と、それを前提とした資本市場そのものにほかならない。監査の厳格化が経営に及ぼす影響を考察する。

「おもしろおかしく」というユニークな社是を掲げる堀場製作所(以下ホリバ)は、「ほんまもん」のグローバル経営へ駆け上ろうとしている。世界トップシェアの分析・計測機器で知られる同社は、技術の変化を先取りして成長してきた。 根底には「おもしろおかしく」のスピリットがある。1971年に大阪証券取引所への上場を機に、創業者の堀場雅夫氏(日本の学生ベンチャー第1号)が、みずからの経営フィロソフィーである「おもしろおかしく」を社是にしたいと社内で提案した時、「普段はヨイショの意見しか言わんくせに」(雅夫氏)、役員全員が猛反対。正式に社是となるまで7年の歳月を要した。 難しいことに挑戦し、働くことをおもしろがって追求してこそ、人も会社も成長する――というのが本来の趣旨。それでも「吉本興業じゃあるまいし、もっと真面目な社是に」という批判もあったが、嫡男で3代目社長となった堀場厚氏は、「おもしろおかしくなければ、独創的な発想は生まれない。仕事のための仕事ではなく、自分の想いで働くことが革新を生む原動力となる」として、海外向けにも英訳。「JOY&FUN」を大きく打ち出した。 そのフィロソフィーがエキサイティングだと海外でも受け入れられ、感銘を受けたフランスやドイツの企業から、「傘下に入りたい」と買収を逆提案される〝おもしろい〟現象まで生まれた。 厚氏が社長に就任して以来、26年。この間に、売上げは5倍、営業利益は9倍となり、過去最高の業績を更新中である。しかも、売上げ・従業員数ともに海外比率が全体の7割近いグローバル企業に成長した。 今年(2018年)1月、厚氏は社長のバトンを足立正之氏に託し、みずからは会長兼グループCEOとして、副会長兼グループCOOの齊藤壽一氏とともに、グローバル経営の次のステップへ舵を切った。それは「技術の潮目が変わる」時代にグローバル化の新次元を駆け上るための、「タイミング・スピード・継続」の3点セットをゆるがせにしない決断だった。 景気変動とテクノロジーの大転換という荒波に立ち向かう新鋭「びわこ工場(注1)」で、京都発グローバル企業の成功の要諦と次の一手を、縦横に語ってもらった。

「おもしろおかしく」というユニークな社是を掲げる堀場製作所(以下ホリバ)は、「ほんまもん」のグローバル経営へ駆け上ろうとしている。世界トップシェアの分析・計測機器で知られる同社は、技術の変化を先取りして成長してきた。 根底には「おもしろおかしく」のスピリットがある。1971年に大阪証券取引所への上場を機に、創業者の堀場雅夫氏(日本の学生ベンチャー第1号)が、みずからの経営フィロソフィーである「おもしろおかしく」を社是にしたいと社内で提案した時、「普段はヨイショの意見しか言わんくせに」(雅夫氏)、役員全員が猛反対。正式に社是となるまで7年の歳月を要した。 難しいことに挑戦し、働くことをおもしろがって追求してこそ、人も会社も成長する――というのが本来の趣旨。それでも「吉本興業じゃあるまいし、もっと真面目な社是に」という批判もあったが、嫡男で3代目社長となった堀場厚氏は、「おもしろおかしくなければ、独創的な発想は生まれない。仕事のための仕事ではなく、自分の想いで働くことが革新を生む原動力となる」として、海外向けにも英訳。「JOY&FUN」を大きく打ち出した。 そのフィロソフィーがエキサイティングだと海外でも受け入れられ、感銘を受けたフランスやドイツの企業から、「傘下に入りたい」と買収を逆提案される〝おもしろい〟現象まで生まれた。 厚氏が社長に就任して以来、26年。この間に、売上げは5倍、営業利益は9倍となり、過去最高の業績を更新中である。しかも、売上げ・従業員数ともに海外比率が全体の7割近いグローバル企業に成長した。 今年(2018年)1月、厚氏は社長のバトンを足立正之氏に託し、みずからは会長兼グループCEOとして、副会長兼グループCOOの齊藤壽一氏とともに、グローバル経営の次のステップへ舵を切った。それは「技術の潮目が変わる」時代にグローバル化の新次元を駆け上るための、「タイミング・スピード・継続」の3点セットをゆるがせにしない決断だった。 景気変動とテクノロジーの大転換という荒波に立ち向かう新鋭「びわこ工場(注1)」で、京都発グローバル企業の成功の要諦と次の一手を、縦横に語ってもらった。

「明君(めいくん)(賢い君主)と暗君(あんくん)(無能な君主)との違いは何か」、唐の第2代皇帝太宗(たいそう)は、腹心の魏徴(ぎちょう)にこう尋ねた。すると、魏徴答えていわく「明君の明君たるゆえんは、広く臣下の進言に耳を傾けることであります。また、暗君の暗君たるゆえんは、お気に入りの家臣の言葉しか信じないことであります。(中略)君主たる者が臣下の進言に広く耳を傾ければ、一部の側近に耳目を塞がれることなく、よく下々の動きを知ることができるのです」。 これは『貞観政要(じょうがんせいよう)』の一節である。この書物は、「貞観の治」(627〜649年)と呼ばれる太宗の治世について、その要諦をまとめたものであり、古来より帝王学の教科書といわれてきた。 太宗はこのように語る。「人は自分を見ようと思えば、必ず鏡を使う。君主が過ちを知ろうと思えば、必ず忠臣の諫言(かんげん)が必要である。(中略)君たちは人民が苦しんでいる状況を見たならば、必ず思う存分言い尽くし、私を正し、諫(いさ)めなければならない(注1)」 不都合な真実や耳の痛い話を教えてくれたり、自分をいさめてくれたりする人が、周囲にいるだろうか。「直諫(ちょっかん)は一番槍より難(かた)し」といわれるように、現代の日本にあって側近や部下には望むべくもない。実際、なかなか見つからないのではないか。 本田由紀氏は、あえて空気を読まない、直球勝負の研究者だ。通説や常識を疑い、精緻な調査と分析に基づく事実(ファクト)ベースの言説は、鋭く、時に挑発的だが、総じて小気味よい。ただし、企業リーダー(とその側近の人たち)にすれば、辛辣で、あまり心地よくないかもしれない。 しかし、ビジネスパーソンがついつい忘れがちな「社会の視点」「辺境の視点」を提供してくれる。それは、いわゆる批判や諫言に聞こえようとも、実は自戒や内省のチャンスであり、変革やイノベーションのヒントにほかならない。 本田氏の専門である教育社会学は、教育に関わる事象や問題を社会学の手法によって分析する学問分野であり、本田氏は、教育と仕事(企業)と家族の3領域の関係についてずっと研究や実地調査を続け、声なき声をすくい上げ、発信し続けている。いわく「肉声のリアリティを束にして示すということが、ひしめくように苦しんで生きている人間たちがいることを説得力をもって社会に打ち出すためには、すごく重要なのです(注2)」。 本インタビューでは、まだまだ十分認識されていない若者や女性の雇用や就業の現実、中高年に関する課題について指摘してもらう一方で、いま各所で議論されているメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への転換に向けた「新たな選択肢(オルタナティブ)」を提示してもらった。

「明君(めいくん)(賢い君主)と暗君(あんくん)(無能な君主)との違いは何か」、唐の第2代皇帝太宗(たいそう)は、腹心の魏徴(ぎちょう)にこう尋ねた。すると、魏徴答えていわく「明君の明君たるゆえんは、広く臣下の進言に耳を傾けることであります。また、暗君の暗君たるゆえんは、お気に入りの家臣の言葉しか信じないことであります。(中略)君主たる者が臣下の進言に広く耳を傾ければ、一部の側近に耳目を塞がれることなく、よく下々の動きを知ることができるのです」。 これは『貞観政要(じょうがんせいよう)』の一節である。この書物は、「貞観の治」(627〜649年)と呼ばれる太宗の治世について、その要諦をまとめたものであり、古来より帝王学の教科書といわれてきた。 太宗はこのように語る。「人は自分を見ようと思えば、必ず鏡を使う。君主が過ちを知ろうと思えば、必ず忠臣の諫言(かんげん)が必要である。(中略)君たちは人民が苦しんでいる状況を見たならば、必ず思う存分言い尽くし、私を正し、諫(いさ)めなければならない(注1)」 不都合な真実や耳の痛い話を教えてくれたり、自分をいさめてくれたりする人が、周囲にいるだろうか。「直諫(ちょっかん)は一番槍より難(かた)し」といわれるように、現代の日本にあって側近や部下には望むべくもない。実際、なかなか見つからないのではないか。 本田由紀氏は、あえて空気を読まない、直球勝負の研究者だ。通説や常識を疑い、精緻な調査と分析に基づく事実(ファクト)ベースの言説は、鋭く、時に挑発的だが、総じて小気味よい。ただし、企業リーダー(とその側近の人たち)にすれば、辛辣で、あまり心地よくないかもしれない。 しかし、ビジネスパーソンがついつい忘れがちな「社会の視点」「辺境の視点」を提供してくれる。それは、いわゆる批判や諫言に聞こえようとも、実は自戒や内省のチャンスであり、変革やイノベーションのヒントにほかならない。 本田氏の専門である教育社会学は、教育に関わる事象や問題を社会学の手法によって分析する学問分野であり、本田氏は、教育と仕事(企業)と家族の3領域の関係についてずっと研究や実地調査を続け、声なき声をすくい上げ、発信し続けている。いわく「肉声のリアリティを束にして示すということが、ひしめくように苦しんで生きている人間たちがいることを説得力をもって社会に打ち出すためには、すごく重要なのです(注2)」。 本インタビューでは、まだまだ十分認識されていない若者や女性の雇用や就業の現実、中高年に関する課題について指摘してもらう一方で、いま各所で議論されているメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への転換に向けた「新たな選択肢(オルタナティブ)」を提示してもらった。

新渡戸稲造「武士道」は世界共通の人間精神である
たいがいの人が、新渡戸稲造の名前はご存じだろう。しかし残念ながら、彼が何者かを知る人は少ない。1920年代、第一次世界大戦後に創設された国際連盟の事務次長として、フィンランドとスウェーデンの間にあるオーランド諸島の帰属をめぐる紛争を平和裡に解決させたことは、新渡戸の代表的な業績である。 もう一つ、『武士道』を著したことである。セオドア・ローズベルトはこの『武士道』に大いに共感し、日露戦争の講和に尽力した(その功績によりノーベル平和賞を受賞)。同じくジョン・F・ケネディ大統領も、『武士道』を座右の書の一つに挙げている。日本の産業界に目を移せば、東京通信工業(現ソニー)初代社長の前田多門氏は東京帝国大学時代より新渡戸に師事した。彼の後を襲った井深大氏も新渡戸に私淑し、『武士道』の熱心な読者であったという。

[対談]経営者はいかに監査を活用すべきか
コーポレートガバナンスを向上させ、企業として成長し続けるうえで、社外取締役をはじめとする「外の目」が不可欠なことは論をまたない。では、会計監査をそうした「外の目」として重視している経営者がどれほどいるだろうか。法で定められているから監査を依頼しているが、監査人との対話はそれほど愉快なものではないし、監査結果の報告も細部への指摘が多く、インサイトに乏しい。そんなふうに感じている方も少なくないはずだ。 しかし、そうした一面的なとらえ方は、みずからの貴重な時間と、けっして安くはない監査コストを浪費することにつながりかねない。 複数の企業で社外取締役と社外監査役を経験している川本裕子氏は、監査人から得る情報は経営にとって貴重なものだと指摘する。監査の過程で得られた発見や情報は他からは得がたく、執行に対して本質を突いた「正しい質問」をするうえで欠かせないからだ。 同じく経営者にとっても、高度な専門性と知見に裏付けられたプロフェッショナルとの対話は本来、正しい方向に会社を導くための気づきに満ちたものでなければならない。あずさ監査法人の金井沢治専務理事は、会計監査人は市場の番人であると同時に、羅針盤にもなりうると言う。両者の対話から、転換点を迎えた監査の未来を展望する。
![[対談]経営者はいかに監査を活用すべきか](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/3/0/360wm/img_304a71f83bfee3ed0536745a00673891102200.jpg)
不確実性を引き下げオポチュニティに変える〈3〉
企業経営を取り巻く環境が急速に変化する中で、危機的状況を事前に回避することはもちろん、事業戦略の策定と実行にかかる不確実性に対処するには、全社的リスクマネジメントの強化が不可欠だ。企業価値創造の不確実性をオポチュニティに変え、リターンを得るために、CEOは何を考え、行動すべきか。

不確実性を引き下げオポチュニティに変える〈2〉
企業経営を取り巻く環境が急速に変化する中で、危機的状況を事前に回避することはもちろん、事業戦略の策定と実行にかかる不確実性に対処するには、全社的リスクマネジメントの強化が不可欠だ。企業価値創造の不確実性をオポチュニティに変え、リターンを得るために、CEOは何を考え、行動すべきか。

不確実性を引き下げオポチュニティに変える〈1〉
企業経営を取り巻く環境が急速に変化する中で、危機的状況を事前に回避することはもちろん、事業戦略の策定と実行にかかる不確実性に対処するには、全社的リスクマネジメントの強化が不可欠だ。企業価値創造の不確実性をオポチュニティに変え、リターンを得るために、CEOは何を考え、行動すべきか。

2011年に49歳の若さでオムロンの代表取締役社長CEOに就任した山田義仁氏は、当時、創業から78年が経ち、堅実ではあっても成長力に陰りが見えていた「大企業」オムロンに、再びみずみずしい社会感度と、世界が求める“ソーシャルニーズの創造”に応える活力を吹き込むことに成功しつつある。 「いかなる環境においても、みずからの力で成長することができる“自走的”成長構造の確立は道半ば」と語るも、これまでの打ち手と実績が大きな成果を上げていることへの自信も垣間見える。 立派な理念を唱える経営者は多いが、それを実現できる経営者は少ない。未来へのビジョンを掲げる会社は多いが、現場に「自走的成長構造」をつくり込める企業は、さらに少ない。 そんな中、10年にわたる長期経営ビジョンを具体化して現場に落とし込み、事業構造の転換と経営革新を同時並行で進めてきたのが、山田氏率いるオムロンだ。企業理念を社員挙げて実践する「共鳴するマネジメント」で、“新しい日本的経営”ともいえる一つのモデルをつくり上げるまでに進化してきた。 メガテクノロジーの大転換の時代に、経営者はどのような覚悟と方法論を持つべきか。AI時代の新たな闘い方の中身を存分に語ってもらった。

2011年に49歳の若さでオムロンの代表取締役社長CEOに就任した山田義仁氏は、当時、創業から78年が経ち、堅実ではあっても成長力に陰りが見えていた「大企業」オムロンに、再びみずみずしい社会感度と、世界が求める“ソーシャルニーズの創造”に応える活力を吹き込むことに成功しつつある。 「いかなる環境においても、みずからの力で成長することができる“自走的”成長構造の確立は道半ば」と語るも、これまでの打ち手と実績が大きな成果を上げていることへの自信も垣間見える。 立派な理念を唱える経営者は多いが、それを実現できる経営者は少ない。未来へのビジョンを掲げる会社は多いが、現場に「自走的成長構造」をつくり込める企業は、さらに少ない。 そんな中、10年にわたる長期経営ビジョンを具体化して現場に落とし込み、事業構造の転換と経営革新を同時並行で進めてきたのが、山田氏率いるオムロンだ。企業理念を社員挙げて実践する「共鳴するマネジメント」で、“新しい日本的経営”ともいえる一つのモデルをつくり上げるまでに進化してきた。 メガテクノロジーの大転換の時代に、経営者はどのような覚悟と方法論を持つべきか。AI時代の新たな闘い方の中身を存分に語ってもらった。

2018年6月に創立100周年を迎える帝人。かつて構造不況業種といわれた繊維産業は、その後多角化の優等生となったが、繊維の名門、帝人もまた多角化を進め、リーマンショックの前には過去最高の営業利益を上げていた。だが、リーマンショックの後は赤字と黒字を繰り返す不本意な状況が続く。 2014年4月、その帝人の社長に就任し、グループ全体の舵取りを託されたのが鈴木純氏だ。虫好き、動物好きで、学生時代には動物学を専攻し、ミミズの研究に没頭した。入社後は医薬品の研究に長く携わり、理学部出身ながら医学博士号も取得している。10歳でサッカーを始め、スペインのFCバルセロナのファンでもある鈴木氏は、サッカーと企業経営の共通点を指摘する。 勝つためには、個々のメンバーの能力が高いことと、全員がチームの目標と戦術を理解していることが不可欠であること。サッカーはキーパーを除いた10人の選手がどこにいてもいい自由な環境の中で、チーム力、得点力をどのように発揮させるかが焦点となるが、会社経営も同様である。 異色の経営者が率いる帝人は、これからビジネスモデルをどのように変革しようとしているのか。イノべーションをどのように生み出そうとしているのか。本人を直撃し、本音を探ってみた。

