象徴的なのは、1964年の東京オリンピックと2020年開催予定の東京オリンピックという二つの時点の高齢化率の世界の中での位置である。1964年の時点で主要先進国と比べて最も若い国としてオリンピックを開催した日本は、2020年には、ずば抜けて高い高齢化率の国、いわば紛れもない老人の国として世界から人びとを迎えることになるのである。

 そういう意味では、いい悪いは別にして、79歳の森喜朗元首相が東京オリンピックの組織委員会会長なのは絵に描いたような人事だともいえる。

 オリンピック競技を観戦するため日本を訪れる世界の人びとは、同時に、高齢化が抱える深刻な問題の数々をどのように日本は解決しているか、解決しようとしているかを自分の目で観察しようとしてやってくる。なぜなら日本の最先端の高齢化水準は自分たちの将来の姿だからである。深刻化する社会保障の財源問題、高齢者の社会参加や健康維持、ケアの必要な高齢者を支える人的体制、シルバー民主主義の弊害への対処などに対して日本は世界の参考となる解決法を提示できるのであろうか。

図2 若者の国から老人の国へ
   ──主要国における人口高齢化率の長期推移・将来推計

©本川裕 ダイヤモンド社 2016 禁無断転載  拡大画像表示

 国内に日本とは年代がずれているが同じように大きな塊のベビーブーム世代を抱え、また現在は少子化している中国や韓国では、今は若い年齢構成であるが、将来、日本と同様、あるいは日本以上に急速な高齢化に見舞われることも図からうかがい知ることができる。