家具を「デザイナー」で選ぶ

 長く使うことが前提なので、フィンランドの人びとの買いものは合理的です。買うときの基準は「シンプルで、素朴で、自然で、落ち着いているモノ」かどうかです。

 私は「価格と品質のバランス」をとても大切にします。また、そのモノが本当に必要なのかをじゅうぶんに考えます。気軽に購入することはないのです。

 また、「誰がデザインしたか」ということも、買いものの大切な基準です。特にデザイナーの名前がついているものは、大切に使って次に伝えていこうという意識が強いのです。

 この国では、学校を卒業して独り立ちするときに「食器はどのシリーズで揃えたいの?」と親に聞かれることがあります。ほかの人たちもなにかプレゼントしてくれるときには、そのシリーズの食器を少しずつ足していってくれます。

 日本では家具をデザイナーで選ぶという意識はあまりないかもしれません。安さと機能と、置く場所に合っているかどうかで選ぶ人も多いでしょう。災害もあり、引越しもわりと多いので、10年使い続けようと考えている人は少ないかもしれません。

 また、日本人は住むところを変えると家具も変える人が多いようです。一人暮らしのときは安い家具を使っていて、結婚したらもうちょっといいのを揃えるというのがスタンダードでしょうか。

 ただ、ちょっとだけ意識を変えて、友人のように長く使えるものを選んでみてはどうでしょうか?

 そして、デザイナーのことを少しでも勉強して、デザイナーで統一してみるのもきっと素敵だと思います。