自殺者数は減少傾向
昨年は2万5000人以下に

「日本では毎年3万人が自殺している」といわれていたが、現在、自殺者数は減少傾向にある。日本で初めて自殺者が3万人を超えたのは1998年。前年の2万4391人から、3万2863人と突然跳ね上がった自殺者数は、2011年まで3万人を超えていた。最も多かったのが奇しくも世界自殺予防デーが制定された2003年の3万4427人。昨年は2万4025人と自殺者急増前の1997年と同程度となった(警視庁の自殺統計原票の集計結果より)。

 1998年の自殺者急増だが、内閣府は「多様かつ複合的な原因・背景を有する自殺の実態をこのような統計分析から明らかにすることには限界もある」が、「人口増と高齢化の進展に加え、当時の社会経済的変動が働き盛りの世代の男性に対し強く影響し、これらの世代の自殺死亡率が急増するとともに、社会経済の変動に影響されやすい昭和一桁~15年生まれの高齢者層の自殺死亡率が増加し、これらの効果が相まって自殺者数が急増したものと推測される」としている(平成19年版 自殺対策白書より)。

 自殺対策白書内では、金融機関の経営状態の悪化により、中小企業が貸し渋り・貸し剥がしに遭い、自殺者を増加させる一因となったとも書かれている。ドラマ『半沢直樹』を思い出した。主人公・半沢直樹の父親はネジ工場を経営していたが、直樹が子どものころ、銀行に融資を打ち切られ自殺した。そういえば、半沢の父を演じていたのも笑福亭鶴瓶だった。いや、それはどうでもいい(というか、物語において半沢の父の自殺は1998年よりずっと前だ)。

 この時期、厚生労働省の患者調査によれば、うつ病と診断される患者も増えた。1999年時点で44.1万人だった気分障害患者数が、2002年には71.1万人と急増。その伸びの大半は、うつ病と診断される人の増加によるものだ。1999年には、うつ病による過労自殺も労災として認定されるようになった。職場におけるメンタルヘルスの重要性が認識され始めたのもこの時期だろう。

参照:患者調査(厚生労働省)