早いもので今年もあと10日を切った。この時期、年賀状の送り先に頭を悩ませているビジネスパーソンも多いのではないだろうか。インテリジェンス(東京都千代田区)が運営する転職サービス「DODA」が12月16日に発表したデータによると、最近のビジネスパーソンのうち、社外の仕事関係者へ年賀状を送る人は3割だという。データからは、職種によっても違いのある年賀状事情が見えてきた。
アンケートは関東、関西、東海エリア在住の25~39歳の正社員の男女、800人が対象。2010年11月9日~10日までインターネットリサーチで集計。
技術職は「直近のやりとりが3年以上前」でも
半数が「年賀状を送る」
「虚礼廃止」という言葉を聞く機会も増えている中、社外の仕事関係者に年賀状を送ると答えたビジネスパーソンは全体の30.1%と半数を大きく下回った。また、送る枚数は平均で38.4枚だった。
職種別に見ると、「送る」と答えた人が最も多いのは営業職(44.0%)。技術職(19.8%)や販売職(22.0%)・事務職(同)と比べ、約2倍の差があった。営業職に続くのは、医療系(38.5%)、企画職(33.7%)、教員(31.2%)の順。いずれも、社外との名刺交換や個人情報のやりとりが多いと推測される職種だ。
これとは対照的に技術職で高い結果が出たのが、「送る」と答えた人に対して聞いた「年賀状を送る相手との関係性」への回答。「直近何年以内にやりとりがあれば年賀状を送るか」という質問に対し、「3年以上前であっても送る」と答えた人は、技術職で47.7%だったのに対し、販売職は11.1%、企画職は13.8%、営業職は14.4%。より多くの人と接触する機会の多い職種では、必要以上にやりとりを続けないこともマナーのひとつといったところだろうか。
全体では、「直近1年以内であれば送る」が52.6%、「過去2~3年以内」が27.6%、「3年以上前でも送る」が19.8%だった。
年始の挨拶、技術職は「訪問」を好み、
事務職は「メール」もOK?
近年ではメールでの年始の挨拶や、SNSを介した年賀状サービスも登場している。しかし、「仕事関係者から受ける年始挨拶で最も好感のもてるツール」は、依然として「はがき」を選ぶ人が多く、半数以上の60.3%。続いて、訪問(22.6%)、メール(12.1%)、電話(5.0%)の順となった。
「はがき」と回答した人が唯一、半数を下回った職種は技術職(45.8%)。技術職は「訪問」を選んだ人が、ほかの職種と比べて最も多く、30.3%。「年賀状を送る相手との関係性」の質問結果とも合わせて考えると、技術職はほかの職種に比べ、「長く深いお付き合い」を望んでいるようだ。
また、「メール」を選んだ人が最も多かったのは事務職(20.4%)。「はがき」を選んだ人が多かったのは教員(74.5%)、医療系(74.0%)で、ほかの職種より10ポイント以上だった。
コミュニケーションツールが多様化する現代。年賀状ひとつとっても、「自分の常識」は周囲の常識と異なっているのかもしれない。
(プレスラボ 小川たまか)