Photo:立命館大学OIC地域連携課

 10月18日(火)に、香港中文大学と上久保ゼミ(競争力養成プログラム)との間で、オンラインディベートを行った。これは、立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)で開催されている「Asia Week」というイベントの一部として行われた。図書館前のオープンスペースに教職員・学生が聴衆として集まり、巨大スクリーンに香港中文大学の教室を映した。テーマは「集団的自衛権」で、香港側が「賛成」、こちらが「反対」の立場で討論した。

ディベートの準備段階で
学生が経験した「修羅場」

「グローバル教育」が綺麗に成功したということを紹介したいわけではない。「トビタテ!留学JAPAN」のように、大人が全部留学の段取りをして、海外で起こる全てのリスクから守られる「国際化」という名の「過保護」が、世の中には溢れている(第88回)。だが今回、学生は過保護とは対極というべき「国際化」という名の「修羅場」を、少し体験することになった。

 これまで、香港中文大学とは定期的な交流を続けてきた(第141回第111回など)。今年9月に香港を訪問した際、教員同士で「オンラインディベートでもやろう」と軽いノリで約束した。その後は、学生に大学側との調整や、先方との接続の機材の打ち合わせを基本的に任せ、私は問題が起きた時のみ出ていくことにした。学生を「過保護」にせず、大人として扱い自由にやらせるのは、「上久保ゼミ」ではいつものことである。

 香港側とのSkypeの接続テストは2回行った。1回目は、香港の学生との間で、まずは接続自体ができるかというテスト。同時に、Skypeで接続した状態で、図書館前のビッグスクリーンに映写するテストを行った。また、速記録を画面上で、双方が見れるようにしたかったのでテストしたが、これはうまくいかなかったので断念した。速記録は、日本側の画面だけで映し、聴衆が見れるようにした。

 2回目の接続テストは、香港側の実際にディベートを行う教室で、Skype接続が可能か試した。ところが、うまくいかなかった。香港側は、授業の一部としてディベートを行うことにしていた。5人が代表としてディベートを行うが、その後ろには20人以上の学生が座り、質疑応答などをにぎやかにやろうと考えていた。ところがSkypeがうまくつながらず、他の機器もないとのことだった。従って、機器がそろった別校舎に移動して行わざるを得なくなった。機材が揃っているのは小教室で、参加は5人だけとなった。