アメリカでは激しい中国人同士の競争
韓国ドラマも真っ青の悪質な事件も頻発

 中国人同士の足の引っ張り合いとはどういうことだろうか?

 今度は西海岸の有名大学大学院で学ぶ中国人男性にメールで話を聞いてみた。彼は上海の名門、復旦大学を卒業後、アメリカの大学院に進学。彼もまた、学部時代に京都の大学に交換留学した経験があり、日本の事情にも詳しい。将来はアメリカの大学で教職に就くことを目指している。

「アメリカでの中国人同士の競争は、そりゃすさまじいですよ。最も激しいのは就職活動のとき。アメリカの大学は中国の学生から膨大な学費が入ることを想定して、博士課程よりも修士課程で修了する短期のコースを大量に作りました。金儲けのためです。いくつか、その筋で有名な“中国人御用達”の修士コースがあって、アメリカ留学を目指す中国人ならば名前はきっと知っていると思います。簡単に入学することができるんですよ。でも、そうして入った修士課程を修了した留学生が、ほぼ同時に就職口を争わなければならなくなってしまうのです」

 彼は言う。

「アメリカの大手企業の就職試験は熾烈を極めます。海外でがんばる中国人同士なのに、ジョブフェアのイベントの日程が違う日に変更になった、と友人にわざとデマ情報を流したり、事故に見せかけてライバルに怪我をさせるように工作したり、友人が席を立った隙に友人のパソコンをたたき壊したり、ライバルのスマホを川に投げ捨てたり……、なんていうのは日常茶飯事。韓国ドラマも真っ青の悪質な事件も頻発しています」

 最悪、就職口を見つけられなかったら、留学生ビザが切れる前にアメリカ人と結婚させる中国人専用の斡旋ビジネスも横行している、というから驚きだ。

 想像しただけで息苦しくなってくるが、彼が在籍している大学の修士課程の95%は中国人で、右を向いても左を向いても中国人だらけ、日本の大学院の比ではないという。アメリカには一体どれくらいの中国人留学生がいるのだろうか。

 米国国際教育協会(IEE)の調査によると、14~15年度にアメリカで学んだ外国人は過去最多の約97万5000人だった。最も多いのが中国人で約30万5000人(日本人は約1万9000人)と、アメリカの留学生全体の3分の1を占める(ちなみに、第2位はインド人、第3位は韓国人となっている。余談だが、インドは中国に次いで人口が12億9000万人と世界第2位なので留学者数が多いことも理解できるが、人口が日本の半分以下の約5000万人しかいない韓国人がこれほどまでにアメリカ留学していることは、注目すべきことだろう)。