「One JAPAN」は今後何を目指すのか?

斎藤 今は大企業で事業にこだわっている人と、濱松さんのようにつながりをつくろうとしている人がいます。両方とも大事なのですが、僕はOne JAPANのような動きが日本を変えていくと思っています。One JAPANが母集団をつくり、その中からタレントが出てくるイメージです

濱松 ネットワーキングによる活動と個人での活動は、相反関係ではなく、連携もしくは仲間であるべきだと思っています。それをわかっていない人がやはり多いような気がします。「One JAPAN」「大企業」「若手」と言うと、排他的にとられることがありますが、まったく逆で、常にドアはオープンの状態にしています。そうは言っても、トップやミドル層に20代や30代と同じことをしてもらうのは難しいので、トップランナーはゲストとして招き、ミドル層にはサポーター枠で入ってもらって、僕たちの熱量を見てもらう、感じてもらうという巻き込み方を考えています。そこで話を聞くだけではなく、僕たちが考えを伝えることでトップやミドル層にもこの活動を広げていきたいと思っています。

斎藤 そもそも20代、30代は全体としてはパワーが弱いので、One JAPANがそれを包括する器になっていかなければならないような気がします。そこがOne JAPANの今後を決めるだろうと感じますね。

濱松 その通りです。今「大企業」「20代、30代」「有志」というタグ付けをしているのは、そのほうが少数精鋭でオリジナリティのあるユニークな人材を出せるのではないかと考えているからです。閉鎖的に見えるかもしれませんが、ベンチャーやソーシャルセクターなどさまざまなセクターと組むことが必要だということは発信したいし、プラットフォームとしての打ち手は数多くやっていこうと思っています。でも、未来永劫そのままであるかどうかはわかりません。

斎藤 おそらく濱松さんは、プラットフォーマーでありコネクターなんですね。そのプラットフォームの上に、同世代の抜きん出た人が入ってくると、すべて巻き込むことができる。それが実現できるかどうかが1つの大きなポイントになるでしょうね。

濱松 おっしゃる通りですね。これからは、大企業もアメーバのような組織体になっていかざるを得ない時代になっていきます。そこでは、柔軟性を持ったプロが求められるようになります。今は、そうした人材を育てるための準備期間だと思います。One JAPANはそういう人の集団でありたいし、その流れをつくれる実践者でありたいのです。

斎藤 One JAPANは、大企業発のタレントをつくることが必要ですね。書籍の刊行やメディア露出など、タレントが何人か生まれるとブランドが変わると思います。

濱松 それは、タレントになりそうな人を引っ張ってくるのではなく、今参加している人を育てるという意味ですか?

斎藤 両方だと思います。新たに入れつつ、中でも育てる。でも、One JAPANで育ち、One JAPANで売り出したタレントが数多く出てくると、One JAPANに入ることが憧れになるので、最終的には育てることがメインになっていくべきでしょうね。

濱松 将来は「熱量の高い優秀な人材の溜まり場」にしたいと思っているので、タレントをつくるという明確な指標があればいいと思いますね。

斎藤 逆に言えば、濱松さんの右腕になれる能力を持っていて、かつ本気で取り組む人がどんどん集まれば変わると思います。僕やトーマツベンチャーサポートもできることはやります!

濱松 今、どんどんそういう人材が集まってきています。共同発起人の2人もそうですし、今回新たに参加する10社にも面白い人材がいます。僕だけでは絶対に足りない部分がありますし、僕だけでやろうなんて思っていません。だからこそ、思いを共有できる人たちが組織を越えて、日本を、社会をよりよくするために行動していきたいと思います。

今後も、さまざまな方に原体験とミッションについて伺っていきます。果たしてどのような「感情曲線」が描かれていくのでしょうか?ご期待ください!(執筆・構成:新田匡央)