<準備の準備期間>
どうなりたいか、
掘って掘って掘り下げる
では、将来の起農を見据えての「準備の準備期間」からです。
将来どうなりたいかをしっかり考えないと、いざ脱サラしてあこがれの農家になったはいいけど、目先の忙しさに追われて、気づいたら大手流通の下請のような形になっていた、なんてこともざらです。
私自身、これまで多くの新規就農の相談を受けてきましたが、総じてうまくいく率が一番高いのは、夫婦そろって前向きな場合、次が奥さんのほうが前向きな場合です。
ダンナさんだけが前のめりのケースでは、うまくいかないパターンが多い。
中には、奥さんに内緒でとか、私に奥さんのことを説得してくれませんか?なんてこともありましたが、そういう人たちもうまくいきません。
また、ひとりで始める場合も、男性より女性のほうがうまくいっていたりします。
この差は、いったい、どこにあるのでしょう?
男性の場合、「(後先考えずに)仕事を辞めてきました」という方が多いのに対し、女性の場合は「今の仕事はそのままやりながら、週末だけ農業の勉強、準備期間にあてたい」と現実的な方が多いのが特徴です。
世帯年収で「350万円」を確保せよ
「現実的」とは、ズバリお金のこと。
よく「地方だったら、年収200万円あれば心豊かに暮らせる」と言われたりします。
確かに、古民家を安く借りたり、自給自足をすればあながちウソではありませんが、なんとかやれるのは、ひとり暮らしや子どもがいない夫婦の場合です。
子どもがいると、そうはいきません。
農的暮らしは自分たちの夢だとしても、子どもには様々な選択肢を与えられるようにしておきましょう。
夫婦と小さい子ども2人の4人家族の場合、世帯年収として最低350万円はほしいところです。
子どもの成長具合で今後の必要金額も変わってきますが、どうなりたいかという夢だけでなく、そのためにどうすればいいのかと現実的に考えることが重要です。