11月14日、国立情報学研究所で2016年の成果報告会が開かれた

東大入試を突破することを目標に、2011年から国立情報学研究所が開発を進めてきた人工知能「東ロボくん」。先のセンター試験模試では5教科で総合偏差値57.1となかなかの成績をマークしたのだが、このままでは東大受験突破は無理と判断、プロジェクトは一旦凍結されることとなった。一体、どこに壁があるというのか。(取材・文/ライター・奥田由意)

 2011年に国立情報学研究所が開始した「ロボットは東大に入れるか」プロジェクト。2016年度までに大学入試センター試験で高得点を取り、2021年度に東大入試を突破することを目標に「東ロボくん」というAI(人工知能)の開発が進められていた。

「東ロボくん」はこのほどセンター試験模試で、英国数理(物理)社(世界史)5教科でいずれも平均点を上回り、総合偏差値57.1をマーク。MARCH、関関同立や複数の国公立大学に合格する実力に到達した。

 しかし、東大二次試験を受けるための足切りの点数には届かなかった。さらに点数を伸ばすには、東ロボくんが文脈や複雑な文章の意味を理解することが必要で、このまま開発を進めても、その点を突破できないため、2021年度を待たずしてプロジェクトは、東大受験に関しては一旦凍結した。

 一体AIはどんなことを苦手とし、なぜ克服できないのか。今回の試験結果から細かく見てみたい。

英語も国語も文脈理解が苦手
小学生にも劣る「常識的な選択」

 まずは、マーク式で解答する、センター試験模試で不得手なところを見ていこう。

【英語】 単語の穴埋めはほぼ完璧だが…

 短い一文の中の一部が空欄になっていて、適切な単語を選んで入れる問題は、ほぼ完璧に答えられる。

 表面的な単語の並びだけ見て、自分の持っているデータに照らす。問題文に出てくる単語と同時に表れる確率の高い単語を引っ張ってくる、という解答方法が有効なためだ。