「ソーシャルメディア」という言葉は、2010年に日本でも市民権を得たと言えます。急速に普及したツイッターがその1つですが、他にもミクシィ、モバゲー、グリーなどがあります。
そして今年、世界的にはそれらをはるかに上回る利用者数を誇るフェイスブックが、日本で本格的な普及期を迎えると見られています。
全世界におけるアクティブユーザーの数は6億人に迫っており、もしフェイスブックを国にたとえれば、中国、インドに次ぐ世界第3位の大国と言えるほどの規模となっています。ただ、日本での利用者は185万人。だからこそ、これから爆発的に伸びる可能性を秘めているわけです。
フェイスブックの注目すべき特徴は、実名登録を基本としている点です。これまでネット社会では、ハンドルネームを使って、自らの素性を明かす文化はありませんでした。フェイスブックの普及でそれが大きな変わるかもしれません。
すでに日本の外では、フェイスブックは圧倒的規模を持つインターネット上のインフラとなっており、企業マーケティング、個人のブランディング、求職活動などに活用するのは、もはや常識となっています。
特集内では、これからアカウントを取る人のために、細かく手順を解説しました。ツイッターやミクシィに比べて、フェイスブックの使い方が難しいという声もありますが、このページを読めば一通りフェイスブックを楽しめるようになるでしょう。
さらに、すでにフェイスブックを活用している達人のインタビューを掲載。経済評論家の勝間和代氏、インフォバーンCEO・メディアプロデューサーの小林弘人氏、日本一の個人投資家である竹田和平氏に、フェイスブックの可能性についてうかがいました。すでに利用しているという方も、自分の使い方を見直すきっかけになるかもしれません。
企業の活用事例も取り上げてみました。ここで登場する企業は、「ファンページ」と呼ばれるフェイスブック上に誰でも無料で作れるオフィシャルページを、マーケティングやブランディングに活用しています。
ちなみに、『週刊ダイヤモンド』でもファンページを作ったのですが、その過程も公開。特集班は、実際に使いこなしているユーザーの取材と平行して、実際に自らも使ってみて、フェイスブックの威力を感じながら記事を執筆、編集しました。
折しも、フェイスブックの創業にまつわるエピソードをテーマにした映画『ソーシャル・ネットワーク』が公開中です。これから映画をご覧になる方は、本誌を読んでから観られると映画をさらに楽しめるはず。また、すでに映画を観られた人も、映画では描かれなかったフェイスブックの特徴と凄みを、本特集から感じていただけると思います。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 片田江 康男)